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第579話

Author: ルーシー
拓海の言葉は、智也の言葉よりもずっと安心できた。

どうしてなのか、玲奈自身うまく説明できない。

けれど拓海が言うと、不思議な力でもあるみたいに、胸のざわめきがすっと静まっていく。

しばらく黙ってから、玲奈は受話口に小さく答えた。

「......うん」

その「うん」を拓海が聞き取れたかどうか、玲奈には分からない。

確かめる余裕もなく、玲奈はそのまま通話を切った。

一方その頃、拓海は玲奈の部屋にいた。

シャワーも浴びて、もう一時間近く待っていたのに、玲奈は戻ってこない。

そこへ愛莉がいなくなったという話だ。

胸が一気に冷えた。

玲奈が心配で、取り乱して危ないことをしないか――それが怖かった。

そう思うやいなや、拓海は迷わず窓から出た。

道中、拓海は知り合いに次々連絡し、手分けして愛莉を探させた。

病院の駐車場は満車で中に入れない。

仕方なく車を路肩に止める。

夜は更け、外の通りにはほとんど人影がない。

なのに病院の周りだけは、人でごった返していた。

車を降りた、そのとき――

かすかに、消え入りそうな声が耳に届いた。

「......たすけて。

たすけ
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