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第619話

Author: ルーシー
智也が承諾すると、明人はかすかに口元をゆるめた。

そして智也に向かって言う。

「もう遅いし、沙羅もいないようだからね。

そういうことなら、これ以上は邪魔せず帰るよ」

智也にも引き留めるつもりはなかった。

立ち上がって、そのまま明人を見送ろうとする。

だがそのとき、二階から足音が聞こえてきた。

智也は思わず振り返った。

見ると、春日部玲奈が階段を下りてくる。

身につけているのは薄手の寝間着だけ。

髪も洗ったばかりで、まだ乾かしきっていなかった。

足音に気づいた明人も、つられて二階へ目を向けた。

そして玲奈の姿を目にした瞬間、明らかに面食らったように動きを止める。

だが、すぐに我に返ると、怪訝そうに智也を見た。

「智也……彼女が、どうしてここに?」

そう問われて、智也は立ち上がり、言った。

「明人さん。

紹介が遅れました。

こちらは私の妻、玲奈です」

一語ずつ区切るような口ぶりだった。

聞き違えなどされるはずもないのに、あえてはっきり言い含めるように。

もちろん明人も、玲奈が智也の妻であることは知っている。

だからその言葉自体を気に留めたわけでは
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  • これ以上は私でも我慢できません!   第619話

    智也が承諾すると、明人はかすかに口元をゆるめた。そして智也に向かって言う。「もう遅いし、沙羅もいないようだからね。そういうことなら、これ以上は邪魔せず帰るよ」智也にも引き留めるつもりはなかった。立ち上がって、そのまま明人を見送ろうとする。だがそのとき、二階から足音が聞こえてきた。智也は思わず振り返った。見ると、春日部玲奈が階段を下りてくる。身につけているのは薄手の寝間着だけ。髪も洗ったばかりで、まだ乾かしきっていなかった。足音に気づいた明人も、つられて二階へ目を向けた。そして玲奈の姿を目にした瞬間、明らかに面食らったように動きを止める。だが、すぐに我に返ると、怪訝そうに智也を見た。「智也……彼女が、どうしてここに?」そう問われて、智也は立ち上がり、言った。「明人さん。紹介が遅れました。こちらは私の妻、玲奈です」一語ずつ区切るような口ぶりだった。聞き違えなどされるはずもないのに、あえてはっきり言い含めるように。もちろん明人も、玲奈が智也の妻であることは知っている。だからその言葉自体を気に留めたわけではなく、ただ軽くうなずいた。「……ああ」そう返したあと、明人の視線は探るように玲奈へ向けられた。肌は白く、化粧をしていなくてもどこか清楚な雰囲気がある。飛び抜けた美貌というわけではない。それでも明人は、なぜか彼女を手に入れてみたいという衝動を覚えた。玲奈もまた、自分へ向けられるその視線に気づいていた。だが、まるで存在しないもののように受け流す。水を飲みに下りてきただけだったため、そのまままっすぐキッチンへ向かった。水を飲んで戻ってきても、智也と明人はまだリビングにいた。玲奈の姿を見ると、智也が歩み寄って言う。「玲奈、明人さんを送りに出る。先に上へ行っていてくれ」「わかったわ」玲奈は素直にうなずいた。もともと智也を待つつもりなどなかった。ただ、彼にすでに誤解されているのなら、いっそその流れに乗ってしまえばいい――そんな思いもあって、あえて何も言わなかった。そのとき、玲奈のスマホが鳴った。心晴からの着信だった。電話に出ると、受話器の向こうから沈んだ声が届く。「玲奈……会いたい」玲奈は断らなかった。「うん。

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