LOGIN下半身のすべてをさらけ出すポースに、恥ずかしさがないと言えば嘘になる。赤の他人に見せるなら、すごく恥ずかしいけれど――。「僕のすべてを大好きな兄貴に見せたいから、恥ずかしくなんてないよ。兄貴にキスされただけで感じてる、僕の大事なトコロをしっかり見て」 静まり返った暗闇の中で、僕の告げた言葉が妙に響いた。「俺に見せるだけで、終わらせるつもりなのか?」「まさか。兄貴の好きなようにして」「それじゃあ、たっぷり感じさせてやる」 兄貴はクスクス笑いながら、ベッドの下に腕を伸ばす。あらかじめ床に置いてあったものを手にし、カチッと蓋を開けた。「兄貴、それなに?」「辰之を感じさせるために、こっそり用意してた。媚薬入りのローション」「媚薬入り!? そんなの使って大丈夫?」 驚きのあまり起き上がり、兄貴が持っているローションの容器を、まじまじと見つめてしまった。容器からローションを垂らした手が、僕の秘部に触れる。ぬちゃっという卑猥な音と一緒に、兄貴の指が挿入された。「ぁ、ああっ!」 ローションで濡れた皮膚だけじゃなく、ナカも熱を帯びていくのがわかった。媚薬効果の早さに不安が拭えない。(――このまま熱が上がっていったら、僕はどうなってしまうんだろう)「辰之のナカ、俺を欲しがってヒクついてる」「んぅっ、ずっと…欲していたよ」 まったく触れてもらえない僕自身は、悦びの涙をじわりじわりと溢れさせる。出し挿れされる兄貴の指が増えるのを目の当たりにして、自ら腰を振ってしまった。「あっ兄貴ぃっ…も、もっと! もっとゴシゴシして」「ココだけじゃ足りないだろ。コッチもかまってあげないと……」 嬉しげに告げた兄貴の口が、僕自身をねっとりと飲み込んだ。包み込まれる兄貴の口内のあたたかさに、感度がどんどん高まっていく。「ンンぅっ!」 自分の下半身でおこなわれている行為を、もう見ていられなくなった。ベッドに身を投げ出して、感じるたびに全身をビクつかせる。すると僕が倒れるのを待っていたかのように、兄貴の空いた手が胸の突起を容赦なく摘む。「ひゃっ! あああぁあぁっ」 痺れるような快感に、目を瞬かせるのがやっとだった。しかもさっきから声のボリュームを抑えることができなくなっていて、卑猥な水音よりも僕の声が部屋に響きまくった。
大好きな兄貴の声で告げられた言葉が、染み入るように鼓膜に貼りつく。僕だけを求めるそれに、素直に応えようと思った。「ぁっ…宏斗兄さん」 躰に感じる圧し掛かかる重みと触れ合う素肌の熱で、呼吸が簡単に乱れていく。「ん? どうした、苦しいのか?」 なにもしていないのに息が乱れている僕を見て、兄貴は少しだけ躰を持ちあげた。触れていた面積がちょっと少なくなっただけなのに、それがすごく切なくて、両手で兄貴の上半身に慌てて縋りつき、ぎゅっと抱きしめる。「苦しくなんてない! 兄貴の傍にいるだけで、嬉しくて堪らないんだ。ずっと離れたくない」「辰之……」「早く兄貴で満たされたい。僕で感じる姿が見たいよ」 薄暗がりでもわかる兄貴の笑顔。瞳を細めて笑いながら、僕の唇にキスをした。触れるだけのキスを数回してから、強く唇を押しつけたあとに舌を挿入する。肉厚の舌が口内の感じる部分を探るように、容赦なく蠢いた。「ふぅっ…あぁっ、んっ」「辰之かわいい。もっと声を出して」 耳元で囁かれたセリフに応えたいのに、兄貴との関係が家族にバレたときのことが頭を過るせいで、声を押し殺してしまう。「もしかして感じてない?」「違っ、だってここは家だから……」「それとも辰之は、俺を抱きたくなったとか?」「へっ?」 きちんと理由を告げたというのに、兄貴は突飛なことを口にした。「ぼ、僕が兄貴を抱く!?」「辰之だって男だろ。ヤられるよりヤリたくなったのかと思って」 それまで与えられていた快感が吹き飛ぶ内容に、開いた口が塞がらない。兄貴を抱くなんてこれまで想像したことがなかったせいで、目を瞬かせるのが精いっぱいだった。「兄貴……」 顔の傍にある兄貴の表情は至極マジメで、からかっている様子がまったくなく、まじまじと僕を見つめる。「……兄貴は僕に抱かれたいの?」 震える声で僕が問いかけた瞬間、兄貴の瞳が嬉しげに細められた。それだけで答えがわかってしまう。きっと僕が強請ったら、あっけなく躰を差し出すだろう。兄貴は僕のお願いを、なんとてでも叶えようとしてくれる人。兄弟になってから――そしてこうして恋人になってからも、大切に接しているからよくわかる。「おまえが望めばだけど。でもやっぱり恥ずかしいかな。だって――」 言いながら顔を離した兄貴は起き上がり、両手で僕の両膝を軽々と持ってМ字開
「そんなことされたんじゃ、ちゃんと差し入れできないだろ」 兄貴はほかにも文句を言いつつ、ちゃっかり僕の服を手際よく脱がしていく。衣擦れの音が、静まり返った部屋に聞こえるだけで、これから兄貴に抱かれるという興奮に繋がった。「兄貴も脱いで」「わかってる。辰之はおとなしく俺に脱がされてろ」「我慢できない。早く!」 最後まで脱がされた僕は、迷うことなく兄貴の下着に手を伸ばした。「がっつきすぎだろ」「がっつきたくもなるよ。だって今回のテスト、かなり自信があったんだ。兄貴からご褒美がもらえるっていう確信があったのに、結果を見た瞬間、声をあげそうになったくらいに絶望しちゃって」 兄貴は下着を掴んだままでいた僕の手を外し、自分で手早く脱ぎ捨てた。「テストの結果で絶望って、その表現もどうかと思う」「兄貴こそ信じられないよ。僕が大好きな兄貴に抱かれることを、どんなに待ち望んでいたのかわからないなんて」「辰之こそわかってない。前回おまえを抱きつぶすくらいに抱いてしまって、俺が深く反省しているってことを」「兄貴が反省? どうして……」 告げられた言葉の意味がさっぱりわからず、ベッドに横たわった状態でぽかんとした僕を、兄貴は優しいまなざしで見つめる。難しいなにかを教えようとしてくれる時に見せるその面持ちに、自然と胸がときめいてしまった。「バレー部の部室でおまえを抱いたあのとき、誰よりも感じさせてやろうと思っていたのに、後半は辰之が俺を感じさせていたよな」「兄貴が感じてるところを、たくさん見たかったから」「俺はそれに応じてしまった。辰之の限界も考えずに」「あれはほら、僕の体力不足が原因だと思うよ。兄貴の性欲の強さに合わせて、僕も頑張らなきゃなぁと思ったりして……」 さりげなく指摘したはずなのに、目の前にある顔が真っ赤に染まった。(兄貴のこういうところ、本当にかわいすぎる。できることならどこかに閉じ込めて、誰に目にも触れさせたくない)「辰之、変なこと考えてるだろ。顔があやしい」 赤ら顔をそのままに、この場の雰囲気をごまかすように兄貴は僕に話しかけた。「どうやって、兄貴を感じさせようかなぁと思っていたところだよ」「今夜はそんなこと、考えなくてもいい。素直に俺に抱かれてくれ」
「ちなみにこれはご褒美じゃなくて、俺からの差し入れな」「差し入れ?」 一瞬だけ快感を遠のかせた兄貴の言葉で、僕の頭の中に疑問符が浮かんだ。「辰之が次回のテストに向けて一生懸命に勉強した形跡を、机の上の状況から確認させてもらった。これなら絶対に、クラスで一番になれる!」 吐息まじりの兄貴の唇が、僕の首筋を這っていく。同時にカタチの変わった硬くて大きなモノが、上下に尻に擦りつけられた。布越しでも伝わってくる兄貴の熱に、頭がぼーっとしていく。(――これってば差し入れじゃなくて、差し挿れというべきじゃないのか!?)「僕は一番になれる、かな?」「俺に夜這いしてほしいんだろ?」「されたい……」 兄貴に愛されたい。それを見える形で体感したい。「辰之、好きだ」 僕が求めていることがわかるのか、兄貴は耳元で告白してくれた。長く一緒にいるお蔭で、そういう察しの良さに何度助けられたことか。その感情は家族愛が伴うことがわかっていたものの、兄貴を好きになった理由のひとつになっていた。「宏斗兄さんが好き。誰よりも好き!」 服の中に忍んでいる腕を抜いてから、くるりと躰を反転させて、兄貴の躰に抱きつく。家族愛から恋愛に発展した今、こうして僕を求めてくれることに喜びを覚える。「兄貴っ…兄貴が好き! 僕だけを見て、視線を逸らさないで」 薄暗闇の中でもわかる、大好きな兄貴の顔。愛おしそうに僕を見つめていた。「辰之こそ、俺だけを見てろよ。この間屋上で箱崎にキスされたときは、驚きの中に嬉しさが表情にちょっとだけ滲んでいたぞ」「嬉しくなんてなかったよ。僕は兄貴のものなのに」「本当?」 嬉しくないと即答したのにそれを無にする感じで、兄貴に問いかけられてしまった。「本当だよ。こうして僕に触れることができるのは兄貴だけ。もう誰にも触れさせない」 兄貴の下唇を食みながらキスした。「ぅんっ!」 上下の唇で兄貴の下唇をやわやわと食みながら、ちゅっと吸いあげる。僕を感じさせる兄貴の唇を優しく愛でてあげると、肉厚の舌が容赦なく口内に入り込む。「あ、あに…きぃっ」 上顎をなぞられた瞬間、食んでいた兄貴の下唇を放してしまった。ぞくりとした快感を与えられたせいで、腰から下がジンジンする。「俺から辰之に差し入れしてるのに、感じさせてどうするんだよ」「だって、兄貴の感じるところが
♡***♡***♡(少しでも休憩を挟むと、ふたりの映像が頭にバーン・ドーン・ガーンっていう感じで流れるせいで、ぶっ続けで勉強しちゃった) それでも途中で晩ご飯を食べて、さっさとシャワーを浴び、すぐに机に向かって集中した。そのおかげで、質のいい勉強ができたと思われる。 本当は、県内トップクラスの進学校に推薦で行けるくらいの学力を持っていたのを、兄貴と同じ学校に通うために、微調整を繰り返した結果が現在の学力である。当然手を抜いているわけだから、落ちることろまで落ちる。「さすがに疲れちゃったな。少しだけ横になろう……」 躰を投げ出すようにベッドに横たわり、目を閉じた。頭を使いすぎているせいか、兄貴と箱崎の絡みは浮かばなかったものの、以前抱き潰されたことが思い出された。 兄貴からの荒々しいキスや躰をまさぐる手のほかに、挿入された硬くて大きなモノが、僕の躰に刺激を与える。(あのときみたいに、兄貴に抱かれたい――) そんなことを考えていると、閉じている瞼が開かなくなるくらいの重みを覚える。部屋の電気がつけっぱなしになっちゃうが、もういいやと諦めて微睡みの中に身を投じた。 どれくらいの時間が経ったのか、さっぱりわからない。目を開けたのに部屋の電気が消されているらしく、真っ暗闇だった。 目が使えないからこそ、すぐにわかった。うなじにかかる吐息と、背中に伝わってくるぬくもり。僕を腕枕してくれる、逞しい二の腕の持ち主は――。「兄貴っ?」(どうして僕の部屋にいるんだ? だって、約束を守れなかったはずなのに)「辰之、起きたのか?」「起きたというか、少しだけ休憩するつもりで、横になっていたんだよ」「どこが少しだけ休憩なんだ。俺が声をかけても起きなかったくせに」 僕の耳朶に兄貴の唇が優しく触れた。一瞬触れただけなのに、そこから全身に熱がいきわたる。「辰之ごめんな。どうしても部活のことで、箱崎と話さなきゃならない内容だったから、おまえを追い出したんだ」「バレー部のことなら仕方ないよ……」「でもかなり怒っていたよな。怒っていたというか、嫉妬しまくってた感じ?」「嫉妬するに決まってるだろ。理由もわからず追い出されたんだし」 兄貴に聞きたいことがあるのに、うまく言葉にできない。だって兄貴の空いた片手が、室内着の裾から忍んで、僕の肌にやんわりと触れるせいで、呼
♡***♡***♡※特別番外編【Voice10】で、お兄ちゃんにバレー部の部室から追い出された日の夜のお話になります。「どうして僕がいちゃ駄目なんだよ! 箱崎は僕の友達だっていうのに……」 母親に「ただいま」とひとこと告げて、すぐに自室へ引きこもった。持っていたカバンを怒りのままに、椅子に向かって放り投げる。 結構すごい音がしたというのに、リビングにいる母親がスルーしてくれたことに安堵する。ただいまと挨拶した、僕の声色が暗いものだったので慮ってくれたのだろう。 そんな見えない優しさを感じても、心の底から湧き上がるイライラは解消されなかった。 部室から僕を追い出す兄貴のてのひらを、背中がしっかり覚えていた。早く出て行けと言わんばかりのそれに、胸が張り裂けそうなくらいにキリキリ痛む。 僕が出てから、あのあとふたりはなんの話をしたのだろうか。話だけで終わることを頭ではわかっている。それなのに、モヤモヤが消えてくれない。兄貴を信用していないわけじゃないのに、箱崎が持っているようなキラキラしたものを、地味な僕が持っているわけがなく。そのせいで、兄貴を惹きつけておくことができない気がした。(僕よりも手足が長くて端正な面持ちをしている箱崎に、兄貴がフラフラ~と手を出してしまったら――)「そんなこと、あるわけないのに!」 浮かんできた卑猥な妄想を払拭すべく、頭を激しく振ってから手早く室内着に着替えた。学校での出来事を思い出さないように、クローゼットの中へ制服を乱雑に放り込む。 楽しみにしていたご褒美がなくなったので、次回のテストに向けて勉強しなければならない。そのことを何度も復唱して、余計なことを考えないようにした。前回のテストのように、ご褒美を目の前にぶら下げておけば、否が応でも集中力が増す。 兄貴が箱崎を抱きしめながら熱いキスを交わしたり、尻を揉みしだいたりなんていう、具体的な映像が流れないように、そりゃもう必死こいて勉強にいそしむしかなかった。
内なる苛立ちがバレないように、奥歯をぎゅっと噛みしめながら自室に移動した。素早く鞄を手にして、リビングを背にしたまま声をかける。「行ってきます」 僕のかけ声を合図に義母が椅子から立ち上がり、慌てて追いかけてきた。「辰之、忘れ物はない?」「ないよ。帰りは、いつもどおりになると思う」 しゃがんで靴を履いていたら、いつの間にか兄貴が傍にいた。振り返って目を合わせた瞬間に、後頭部を撫でられる。「寝癖くらい直さないと、彼女できないぞ」 兄貴に指摘されたことが恥ずかしくなり、その手を容赦
朝の弱い兄貴が、珍しくご機嫌な様子でご飯を食べていた。隣でそれを不思議に思いながら、味噌汁をすする。「母さん、今日遅くなるから」「部活?」「部活のあとに、テスト対策の勉強することになっててさ。帰ったらちゃんと飯食うから」「来年受験だものね。しっかり勉強教えてもらいなさい」「俺が教えるんだって。酷いなぁ」 ほほえましいとも言える義理の母親と義兄のやり取りを耳にしつつ、目の前にいる実父に視線を飛ばした。たぶんこれから僕に、なにかしら嫌な話題を投げつけるであろう。「辰之、おまえ勉強
*** 昼休みが終わる直前になって、先にノートを貸していた箱崎が済まなそうな顔で僕の傍にやって来た。「黒瀬、ノート助かったよ。今日は彼女と遊ぶ約束してたから」「ということは、部活をサボる気だな?兄貴に言いつけてやろーっと」 ノートを受け取りながらふざけ半分で脅した途端に、箱崎は両手を合わせて拝むポーズをとる。「頼むから黙っててくれって。今日は彼女の誕生日でさ、どうしても長く一緒にいてあげたくて」「はいはい、惚気けるのはそれくらいでストップ。見逃してやるよ」「ノートからなにからサンキューな。さすがは黒瀬先輩の弟!」「褒めてもこれ以上なにもしないし。同じ彼女持ちでも、兄貴は部活を
***『お母さん、今日遅くなる。友達と勉強することになった』 帰りが遅くなってもいいネタを、昼休みになってから義母宛にLINEを送った。兄貴の頭の中では今朝僕の行動を耳にしているおかげで、いつもどおりの時間に帰宅していることになっている。だからこそ慎重に兄貴のあとをつけて、絶対に見つからないようにしなければならない。(兄貴は部活が終わったあとに、友達と勉強会の予定。だけどそこは友達じゃなくて、彼女の可能性が高い。学校の図書室はすでに閉まっているから、市立図書館の自習室で勉強をするのか。あるいは――) こうして頭の中を兄貴でいっぱいにするこの時間が、結構好きだったりする。僕と一緒にいな