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第5章・第4話:夜の借家——虫の声と柱時計だけが残る

Penulis: 銀狐
last update Tanggal publikasi: 2026-07-15 14:15:41

 子供たちを寝かしつけた後の借家は、昼間とは別の顔を見せた。

 音が変わるのだ。

 さっきまで居間を満たしていた海音の笑い声や、テレビのバラエティ番組の喧騒や、結菜が教科書をめくるかさかさという音——それが全部消えて、代わりに夜の音だけが残る。

 窓の外から虫の声。りーん、りーん、と涼しげだが、どこか物悲しい音色。遠くで波が崖に当たる低い音が、地鳴りのように断続的に届いてくる。古い柱時計がこちこちこちこちと時を刻んでいる。

 居間のちゃぶ台の前に座って、ぼんやりとテレビの深夜番組を眺めていたら、廊下の板がぎしっと鳴った。

 瑠花が台所から出てきた。

 手に、缶チューハイを二本持っている。

 今日スーパーで俺がかごに入れた、一番安いやつ。

「……飲めます?」

「まあ、多少は」

 多少どころか、三百年分の酒を飲んでいるが。人狼の代謝で酔わないだけで。

 瑠花が俺の向かいに座り、一本

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