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第42話

Author: ラクオン
「うん......」

一真は少しだけ言葉を詰まらせながら返事をした。

「明日の午後、会議があって、少し遅くなるかもしれないんだ」

梨花の胸がじわじわと重くなる。

「......そうなんだ」

「そうじゃなくて。ちゃんと最後まで聞いて」

一真の声は、どこか穏やかで落ち着いていて、少し優しさが混じっていた。

「迎えに行くのは間に合わないかもしれないけど、黒川家で合流っていうのはどう?」

緊張していた梨花の体が、一瞬で楽になり、自然と口元がゆるんだ。

「もちろん、全然いいよ」

一人で戻ることさえ避けられれば、それで十分だった。

「分かった。もうすぐ帰るの?」

梨花は視線を落として、しばらく床を見つめながら答えた。

「もうすぐ」

「ケーキ買っておいたんだ。冷蔵庫に入れたから、忘れずに食べてね」

梨花は一真の言葉に一瞬驚いた。

高価なプレゼントなら驚かない。でも、小さなケーキをわざわざ買ってくるなんて、初めてだった。

「うん......ありがとう、一真」

でも、その驚きもすぐに消えた。

桃子のSNSの投稿を見たからだ。

【朝、何気なくケーキ食べたいって言った
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おすがさま
この婆さん、なんでこんなに叩くんだ!?
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