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第531話

作者: ラクオン
梨花の心臓が、不意に何かに鷲掴みにされたように痛んだ。

電話の向こうは風の音が強すぎるのか、竜也には彼女の言葉がはっきりと聞こえていなかったようだ。

「くちゃん、さっき何か言ったか?」

梨花は深く息を吸い込み、胸の奥の苦しさを和らげようとした。

「ううん、何でもない……ホテルに着いたの?」

電話の向こうで彼は、どうやら屋内に入ったらしい。

風の音が遮断され、静寂の中に彼のリズムいい足音が響くのが聞こえた。

通話を切る前に、梨花は尋ねた。

「後で連絡したい時は、またこの番号にかければいい?」

「ああ」

竜也は低い声で笑いながら問いかけた。

「これで安心して眠れるか?」

あまり安心はできない。

だが、梨花は異国にいる彼を心配させまいと、頷いて答えた。

「ええ、もう寝るわ」

そして付け加えた。

「あなたも……早く休んでね」

時差を考えれば、向こうも夜のはずだ。

竜也は何か言いたげな間を置いたが、結局何も言わなかった。

「ああ、分かった」

通話を終え、画面が暗くなったスマホを見つめながら、梨花はふっと笑った。

昼ドラの見すぎかもしれない。

女の声が聞
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コメント (1)
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てて
綾香、そうじゃない、竜也はそんな人じゃないと言うまではいいが、フォトショで加工されたものなんて言い方はかえって誤解を生む。
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