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78.戦いの始まり

Author: 桜立風
last update Petsa ng paglalathala: 2026-08-28 14:07:47

「そう言うと思ったけどな」

「正解でしたね。今夜帰ったらご褒美をあげます」

「え……どんな?」

口からの出任せで、具体的に考えてやしない……!

「私のことは置いといて、神楽さんはお父さんのことをちゃんとやってあげてください」

「わかった。……それと、君の休暇を伝えておく。まぁ、承認印押すのは俺だけどな」

「あ……忘れてました。助かります」

互いの成果は夜に話そうと約束して、着信を切った。

わずかに、いや……本当はかなり気持ちがほぐれたことを感じる。

耳障りのいい声だから?……いや、神楽はすでに紅の心の安定剤になっていた。ずっとふわふわしていた足に、やっと力が入った気がして、紅は海辺の別荘へ行くための支度を始めた。

都内から電車で2時間。さらにタクシーで15分ほど乗って見えてきた、父が所有する海辺の別荘には、明らかに人が集まっているようだ。

屋根のない駐車場に停まる数台の車は来客の数を表している。……そんな賑やかな中に母が?体調を崩していないか心配が込み上げた。

「紅さま、いつの間においでに……?」

「たった今よ。いつもご苦労さま、美沙さん」

呼び鈴は押さず、虹彩認証で入ったので、最初
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    「そう言うと思ったけどな」「正解でしたね。今夜帰ったらご褒美をあげます」「え……どんな?」口からの出任せで、具体的に考えてやしない……!「私のことは置いといて、神楽さんはお父さんのことをちゃんとやってあげてください」「わかった。……それと、君の休暇を伝えておく。まぁ、承認印押すのは俺だけどな」「あ……忘れてました。助かります」互いの成果は夜に話そうと約束して、着信を切った。わずかに、いや……本当はかなり気持ちがほぐれたことを感じる。耳障りのいい声だから?……いや、神楽はすでに紅の心の安定剤になっていた。ずっとふわふわしていた足に、やっと力が入った気がして、紅は海辺の別荘へ行くための支度を始めた。都内から電車で2時間。さらにタクシーで15分ほど乗って見えてきた、父が所有する海辺の別荘には、明らかに人が集まっているようだ。屋根のない駐車場に停まる数台の車は来客の数を表している。……そんな賑やかな中に母が?体調を崩していないか心配が込み上げた。「紅さま、いつの間においでに……?」「たった今よ。いつもご苦労さま、美沙さん」呼び鈴は押さず、虹彩認証で入ったので、最初に出くわした家政婦の美沙を驚かせた。「お母さん、来てるわね?」「え……あの、」余計なことを言うと父にどやされるのだろう。ここまで来て隠しても仕方ないのに。紅はにぎやかな声が響くデッキへと足を向けた。「皆さんお久しぶりです」デッキと隣接する庭、プールサイドは、水着姿の大人たちで賑わっている。紅を見て頭を下げる人たちはトオキ屋の社員だ。……知らない顔もある。「……紅、」やはり母はここにいた。隣には父……そして反対側の隣には、信じられない人もいる。「お母さん、大丈夫?迎えに来たの。病院に帰ろう」「……ちょっと待てよ」父にはわざと声をかけなかった。それも気に入らなかったのだろう……素直に立ち上がりかけた手を掴まれ、母は瞬間的にビクッとした。「……離してください。母は治療中なんです。病院に戻らないと」「心療……なんとかって、あれか?」唇を歪めて笑う父……反対側の隣にいる女も同じような笑みを浮かべる。「さつきさんも来てたんですね、本店の営業は大丈夫なのかしら?」急に声をかけられて驚いたようだ。トオキ屋本店の責任者であり、多分父の愛人であるさつき……。「私は……社

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