９．

　翌日も部長に呼び出された。

「親父に嫌がらせとか受けたんじゃないか？」

「先日の分の金額を支払って頂いただけです。かなり多くて驚いているんですけど。返金は可能でしょうか？」

「親父の気分での支払いだから、そのままでいいんじゃねー？お前の事ずいぶん気に入ったみたいだな」

　そう笑う部長はやはり会長と似ているなと思った。

「今日もあの仕事するのか？」

「当然よ。アレがないとちょっとね」

　会長は事情を知ってるけど、部長には話してないからなぁ。趣味だとか思われてるのかな？

「最初に‘二度と会わない’って伝えることにする。またあんな目には遭いたくないし」

「そうだな」

　あれ？なんで部長は媚薬盛られた現場に居合わせたんだろう？

　それはともかく！今日も稼ぐわよ！

　今日のお相手は…綾小路健司様。どんな方なのかのかしら？せめてイケメンであれ。

　いつものように私は勝負服に着替えて、高級ホテルで待ち合わせ場所へと向かった。

「篠田京子さんですか？」

　そう、話しかけてくるイケメンに会った。

「は、はい！篠田京子と申します！貴方は？」

「申し遅れました。今日、貴女に指導をお願いした綾小路健司と申します。本日は指導をよろしくお願いします」

「はいっ！あ、注意なんですけど。私と会うのは本日のみとなりますのでそのようにお願いします」

　紳士的な方だなぁ。と思ったのが間違いだった。

　いつものように御曹司様はスイートルームと決まっているのか？というようにスイートルームへと連れて行かれた。

「はぁ、外だと猫被らなきゃいけないからマジで疲れるわー。篠田サンの格好とか私物？」

　紳士だと思ったのに…思ったのに……チャラ男だった。

　私はいきなりベッドに押し倒された。

「二人ともシャワー浴びてないわよ？それと、私のことは「先生」と呼ぶように」

　と言う私の話を聞いてたんだか、わからないけど私はいきなりジャケットを脱がされた。

「コレは邪魔だからベッドサイドにでもかけておこう、うん。このトップス自前？すごいセクシー♡俺好みなんだよねー」

　そう言いながら、御曹司様はトップスをめくりあげた。

「うわぉ♡セクシーなブラ。胸隠れてんの？ほどんと見えてんじゃん」

　布の上から乳首を吸われた。

「ブラも邪魔だから外してしまおうね♪」

　私は男運ないんだろうか。港亘といい、この御曹司様といい……。

「なんだー、イイ感じの乳輪してんじゃんかぁ」

　御曹司様は私の乳首で遊び始めた。

「えーっと、服で首が締まる感じなんで、脱がしてください」

「センセーはワガママだなぁ。まあいっかぁ、そのほうが首筋とか出てくるわけだし？」

　私は上半身裸にされた。

「キスとかしないんですか？あ、そういえば！綾小路様の婚約者様はどのような感じの方ですか？純情なタイプとかそういうの」

「まぁ、純情なタイプかなぁ。結婚するまで体を許しません！ってタイプ。つまんないよね、正直」

　なるほどね。それで、この人がこんな風に…。

「センセー、舌出してよ。キスの基本でしょ？」

「婚約者様はそんな方じゃないでしょう？おそらくですけど、ファーストキスもまだですよ？まずはフレンチ・キスですね。どんどん深いキスに進むのがいいでしょう」

　って言ってるのに、この御曹司！思いっきり私の口内を蹂躙しやがった。

『あぁ、健司様、何をするのですか？んんっ……』

　私は何も言ってないのにこの御曹司様は私の胸をっていうか乳首を弄り始めた。

『んんっ、健司様ぁっ、そこはっ、……んあぁっ』

　キスを止めたと思ったら、乳首を吸いに行ったし…。

『……あぁん、それはっ、……んぁ』

　私は体を捩り、両脚を閉じ、婚約者様を演じた。

　御曹司様の手は私の太ももを弄るように動き始めた。

『あっ、健司様っ、何を？あっ、そこは、いけませんっ』

　御曹司様の指が私のナカに入ってくる。

『……んあぁっ、あっ、…健司様、…ぁああっ』

「ん？どうした？」

「婚約者様に対しては指の数を徐々に増やしてくださいね。もうっ私だからいいようなものを」

　御曹司様はやはり胸を責めながらの下という形になるようだ。御曹司様というものは皆そうなのだろうか？

『あぁ、…健司様、いけませんっ、あぁんっ、変になりそう』

「もういいよな？入れさせてもらう」

　そう言って、御曹司様は自身のモノを私のナカに入れ、腰を動かした。

『健司様…健司様ぁ！』

「婚約者様相手の時は少しづつ進んでくださいよ？面倒ですけど」

　とりあえず、私も体を捩りつつ、腰の律動に合わせて腰を振った。

ぱぁん、ぱぁん、ぱぁんと乾いた音が響く。

「今度はバックだな」

　御曹司様は一度私のナカからモノを出し、私を壁に向かって立たせた。

「ベッドの上じゃないんですね。婚約者様相手の時は必ず行為をベッドの上で行ってください」

　御曹司様は私の胸を揉み乳首を弄りながら、自身のモノを私のナカへと入れてきた。

『…あぁっ健司様っ、健司様ぁあん、……んあぁっ』

　と言うようにいつもの指導は進んだ。いつもよりも生徒が暴走していたが。割増料金がほしいところだ。

「ところで、センセー。俺がどんなに努力してもちっとも感じなかったみたいなんだけど、不感症なのか？」

「マグロと言われたことはあるんだけどねー。婚約者様にはちゃんと指導したようにするのよ？私にしたようにしたら、純情な彼女は驚いちゃうわ。初夜なら、そうね…３回が限度かしら？純情な子だものそんなものよ」

「少ねーよ」

「そう言った話は夫婦間でどうぞお願いします」

　私は服を着て、帰ることとした。