Masuk魔族は主にエルフ、ドワーフ、獣人族など人間の亜種のことを指している。それとは違い、悪魔族また、悪魔は人に罠を仕掛け、悪の道に誘う。時には人を殺すこともある。その中でもいちばん強いのは魔王だ。魔王は「500年に一度の大厄災」と言われている。災害、疫病、餓死を世界中にもたらし、人間を極限までいたぶり殺すのだ
「悪魔…もうそんな時期か」
「どういう時期なんだ?」
思わずツッコミを入れてしまうマチ
「悪魔が出てきたって事は魔王もそろそろ出てくる頃だな、と思ってね」
「魔王ですか…また大厄災がやってくるんですね」
怖がりなジェイドは魔王と言う名が出ただけで今にも泣きそうになっている
「大丈夫だよ、私強いから」
「あぁ、ご主人の強さは確かだ。それに魔王を倒すのはご主人にしか出来ない技だからな」
そうだ。この世界の神話では、赤い瞳を持つハイエルフは不老不死、脅威の再生能力を持ち、唯一この世界の大厄災である魔王を倒す魔法が使えると言うが…
それは本当である。実際に500年前、さらに500年前の魔王出現の時もマリが倒している。と、そんな話をしていると
「あぁ、お昼過ぎてる。長話しすぎちゃった…ご飯ってうかおやつの時間だね」
あっという間に時間が過ぎた。
「質のいい野いちごと野ベリー買ったから…パイでも作ろうかな」
「いいな、そうしよう」
早速マチはオーブンを温める
「…甘いの大好きだから動くの早いね」
「そ…そうか?」
マリはあらかじめ買っておいたパイ生地にカスタードクリームと野イチゴ、野ベリーを並べ、生地を中心に寄せながら内側に被せる。
「うん、そろそろいい頃だ」
マチが溶かしておいたバターを塗り、焼き始めた
「あぁ…いい匂いがしますね」
甘い匂いがふわっと部屋中を立ち込める。ぐぅぅ…と3人の腹の音が鳴る
「今のうちに紅茶の用意しよう」
パイに会う紅茶の茶葉を用意する。焼けるのが待ち遠しい
「キュッ…キュキュ!」
しろも、くろも、もふこ達がいつの間にか姿を現した
「みんなも食べたい?」
「モキュ!」
「そっか、じゃあみんなで食べようね」
そんな話をしていると
「パイが出来たぞ!」
マチの喜びの声が上がる。パイの上から粉砂糖をまぶして
「出来た、野いちごと野ベリーのパイだ!」
かなり大きいが、きつね色に焼きあがったパイ生地。キラキラと光り輝く野いちごと野ベリー。6等分にに切り分けて
「食べよっか、いただきます」
あむっと口の中に入れると、サクサクのパイ生地に程よい甘酸っぱさとカスタードクリームが合わさり美味しさが増していく
「んん~!美味しいです!」
ジェイドが頬を抑えて味を噛み締める
「あぁ…甘さが体中に染み渡る。美味い」
マチはとても幸せそうだ。これにさっぱりとしたハーブティーがよく合うのだ
「紅茶と会うね、君たちは?美味しい?」
「キュ!」「キュッキュ!」「クゥ!」
どうやら、けだまスライムにも美味しさが伝わったようだ
3人と3匹はとても幸せなひとときを過ごしたのだった
大きいパイをご飯として食べたせいで夜になってもお腹は空かない。お風呂に入ったあとは3人ともハーブティーを飲みながら、思い思いの夜を過ごす。ジェイドはアロマを焚き、マチは読書。マリは日記を書いている。毎日の日課だ。夜はこうしてのんびりとした時間が流れる
「今日は満月ですね」
窓の外には大きくて真ん丸な月が浮かんでいる。星も綺麗に輝いている。暖炉の焚き火の音以外に耳を澄ませるとフクロウの鳴き声が聞こえてくる
「鳴き方が下手なフクロウがいるな」
フクロウの使い魔であるマチだからわかる事だ。「ねぇ、明日は秋の「食料採り」に行かない?」
「いいな、行こう」
「いいですね!楽しみです」
明日の楽しみができた。3匹はすでに夢の中だ。よし、そろそろ寝よう。
大きい特注のベッド。実は3人同じベッドで川の字になって寝るのだ。マリがもちろん真ん中。「2人に挟まれると温かくていいんだよね」
「寝心地は大丈夫ですか?」
「このベッド、大きいから全く問題ないよ」
「毎日ご主人の隣で寝れるからな、幸せだ」
「私もふたりと一緒にこうして眠って生活出来て幸せだよ…」
いつの間にか3人は夢の中に落ちていた
~
そして3人揃って日が昇る前に目が覚める。朝はとにかく冷え込むから、目が覚めてからすぐに薪に火を付ける。
「はぁ…寒いね」
「今紅茶入れるからな」 マチが紅茶の準備をする。綺麗な鳥のさえずりが聞こえる「さ、寒い」
ジェイドがいちばん寒さに弱い。ふわふわのタオルケットを羽織って1番暖炉に近い所に座っている。日が昇るまでの辛抱だ。紅茶も入れ終わった
「この紅茶美味しいね、カモミールだ」
「いい匂いですね、癒されます」
まろやかで非常に口当たりのいい紅茶。マチは角砂糖を3つ入れて飲む
「うん、美味い」
徐々に日が登り始める。今日の朝ごはんは、パンの上にチーズを乗せて暖炉で溶かしたものと、ビックホーンピッグのベーコンとソーセージ、目玉焼きとサラダ。「いただきます」
パンにチーズはシンプルで何にでも合う。とろりとチーズが溶け、程よい塩気が良い。
「うん、どれも美味い」
「ベーコンにチーズパンが合いますね!」
マリ達の朝ごはんはシンプルだ。朝からそんなに食べないのだ
朝ごはんが終わると早速、「食料採り」の準備をする。マジックバックに切れ味のいいハサミを入れて
「よし、行こうか」
家を出て幻樹の森を歩くと、紅葉も終わり葉が散り始めていた。今のうちに食料などを貯めておかなければならない。冬は暗く、降雪量も多くとても寒いのだ。
冬ごもりの準備、と言ったところか「あ、ボガルンダが生ってる!」
ボガルンダとは木になっている桃色の果物で、熟すととろけるように柔らかく甘いのだ。皮ごと食べることが出来る
「熟しているみたいですね、取りましょうか」
ボガルンダの木は比較的低いので取りやすい
「ザラキアも生ってるぞ」
ザラキアはボガルンダに似ている黄色の果物。こちらも甘くて美味しい。どちらもマチの好物だ。3人それぞれのマジックバックに果物を詰める。あらかた果物は取り終えて、再び歩く
かさっかさっと枯葉を踏めばいい音が鳴る
「あ、ドクモタケが生えてますね」
ドクモタケ。いかにも毒がありそうな名前だが無毒である。スープに入れて食べるもよし、出汁を取るのもよし、魔法薬の材料にもなる
「ん、何かの気配がする」
後ろを振り返ると大きな翼を広げたワイバーンが。マリが手を振りかざすと、ヒュッと縦真っ二つに切れた
「すごいな、こんなにでかいワイバーンはなかなか居ない」
「マリ様流石です!」
ワイバーンを血抜きしている間に、森のど真ん中にあった宝箱(ミミック)も倒し食料にする。グロウハニービー(暗闇で光るミツバチ)の巨大な巣からもはちみつを頂く。マリはこの森の守護者なので蜂もそれに従い、刺すことは無い。
「結構取れたね、穀物はゼンリから買ったから後は大丈夫かな」
半日でたくさんの収穫を得た。こんなに大量の食材をどう保管するのかと言うと、マリの家には大きな地下室がある。ひんやりと冷たく、年中一定の温度に保たれている。さらにマリの魔法でいつでも新鮮な食べ物が食べられるようになっているのだ
「地下室の食料庫もこれでいっぱいですね」
満足気な3人。大量に取ったボカルンダを昼食にしながら帰り道を歩くと、足元に
「野生マンドレイクだ」
幻樹の森に生えている野生マンドレイクは毒がなく、苦味もない。皮を剥げばそのまま食べることも出来る。ついでに、野生マンドレイクも収穫する。もちろんマリが強い睡眠魔法をかけて、だ
「あちこちに生えてるな」
野生マンドレイクも30個ほど収穫し、家に戻る。地下室に食料を置いて一安心する。四方八方、食料で埋まっている地下室。これで冬は問題なく過ごせる
「よかった、これで蓄えは充分だね。ゼンリにも感謝しないと」
「そうだな、いいタイミングで来てくれた」
「冬になるととてもここまで来れませんからね」
今頃ゼンリはくしゃみをしている所だろう…
~
昼をすぎて、マチは薪割りをし始めた。薪割りも終盤に差し掛かる。ストン、と真っ直ぐ振り下ろされた斧。パカッと綺麗に割れる薪。薪割りはもう慣れたものだ
マリはクッキーを焼いている。丸いものや四角いものチョコチップが入ったクッキーもある
ジェイドは薬草や毒草の種類を書き記す。これは人間にとってとても有益なものになる
3人それぞれの時間を過ごしておやつの時間だ
「マチ、クッキー焼けたよ」
「お、クッキーか。俺の好物だ」
家の中に入ると甘い匂いがふわっと立ち込める。ハーブティーの香りもいい
「では、頂こうか」
サクッと、中はホロホロの焼き立てクッキー。程よい甘さだ
「うん、美味いな。ありがとうご主人」
「みんな頑張ったからご褒美だよ」
「マリ様美味しいです」
「ふふ、よかった」
頑張った身に染みるおやつとハーブティー
「夜ご飯も豪華なもの用意するから待っててね」
「それは楽しみだな」
「ええ、気になりますー!」
楽しい時間、最高のひととき。これが生きる活力になったりする
マリはすでに夜ご飯を決めていた。2人が作業をしているうちに調理に取り掛かる
マチは薪割り、ジェイドは焚き付け用の小枝を集めている。
マリは調理が大好きだ。あれこれ考えて今日は何にしようとか、これを食べて喜んでもらえたとか全部覚えている。流石に5000年全部とまでは行かないが記憶している。
(5000年より前なんて、そこら辺に生えてる得体の知れない果物やら草やら食べてたな…調理するってことが頭になかった。まぁ私は不老不死。何も食べなくても死なないけど…食べる喜びに浸るのが最高なんだよね)
そう考えてながら料理しているとあっという間に出来てしまった
(後はお楽しみで…2人はどんな反応するかな)
2人の反応が楽しみで仕方がない
そうしているうちに日が暮れた。夕飯の時間だ
2人に目隠しをして夜ご飯をテーブルに運ぶ「今日の晩御飯はなんだ?」
「すごくいい匂いがしますね…」
「2人とも、目隠し外していいよ」
2人が目隠しを外すと…歓声が上がった
「はい、ホーンラビットの丸焼きとビックホーンポークのひき肉スープ召し上がれ!」
「ご主人す、すごいな!1人で作ったのか!」
「マリ様!これは随分と豪華ですね!」
「みんな頑張ったからね、いただきます」
ホーンラビットに切り込みを入れると、肉汁がジュワーっと溢れてくる。切り分けるだけで肉のやわらかさが伝わる。切り分けて早速食べてみると
「んん~!外はパリパリなのに中がジューシーで美味しいです!」
「全然油っこくないな、すごく美味いぞご主人!」
「うん、これは美味しいね!ハーブの香りがいい」
ひき肉スープも飲んでみると、野菜のうま味に肉のうま味もギュッと凝縮されてこれはまた美味いのだ
「スープも美味しいよ」
「うん、美味いな!すごいぞご主人」
「んー!美味しいですね!」
たまにはこんな豪華な食事もいい。頑張った自分を褒めよう
(5000年以上生きている中で、今日が一番幸せだな)
「幸せ」が更新されるマリなのだった
~
翌朝
起きた頃にはすでに日が昇っていた。昨日たらふく食べたからか、3人ともゆっくり起きた。
朝ごはんは昨日の残りのスープとポチカ(パン)を食べた。
さて、今日は街に行って魔導書や魔道具を買う予定だ。マリの転送魔法を使って早速3人は村に行く
「モンテナ村に来たの久しぶりかも」
「ご主人はそうだな」
モンテナ村はこの辺の村でいちばん大きな村だ。エルフやドワーフが多く、人間は少ない傾向にある。人間は隣町のカルテ村に多い。魔族が多くの店を開いているので魔導書や魔道具を買うにはうってつけだ
まずは古本屋に行く
「いらっしゃい…おや?マリ様じゃないか」
赤髪で男のエルフがマリに声をかける。この店の店主だ。
「久しぶりだね、タナス。元気にしてた?」
「ぼちぼちって所かなぁ、随分と長い間会ってなかった気がするが…」
「うーん、言っても5年ぶりじゃない?」
「そうか、5年か」
マリが店主と喋っているとマチがかなり古そうな魔導書に目をつけた。
マチがかなり古そうな魔導書に目をつけた。
(これは…)
「おお、マチさんいい本に目をつけたねぇ」
「あ、それ私の書いた本だ」
「やっぱりご主人が書いたものか。これをくれ」
「あいよ」
「私の魔導書を買ってどうするの?神代古代の魔法なら教えてあげるのに」
「何千年も前のご主人の直筆ってところが引かれるんだ」
「うん?ちょっとよくわかんないけど…」
マチはマリがおよそ4000年前に書いた魔導書を買った
「うむ、東の国の薬草について書かれている本…珍しい。これください」
ジェイドも薬草の本を買った
「マリ様はお目当ての本はなかったかい?」
「うん、ほぼ家にあるからね」
「そうかそうか、また近いうちに来ておくれ」
「わかった、ありがとう。じゃあね」
店主のタナスに挨拶をして店を出た
~次は魔導具店
「いらっしゃい、おう、マリ様じゃねぇか!」
こっちの店主は皮膚に鱗があり、瞳孔が縦長でおまけにしっぽも生えている。鮮やかな青い髪の竜人族だ
「ひさしぶりラング、元気?」
「おうよ!元気してたぜ!最近見ねぇから心配したぞ!」
「それはごめん。ずっと森に引きこもってたから…」
「で、何をお探しだ?」
「マチとジェイドの髪留め用の魔道具ってない?」
「あぁ、いいのあるぜ」
そんなこと聞いてない!と2人はマリに詰め寄る
「ご主人俺は何もいらない、大丈夫だぞ」
「マリ様、私もですよお気遣いは嬉しいですが…」
マリはまるで聞いていなかったかのように、「いいのあるってよ」と、勧められたものを手に取った
「どうだい?お二人さんの目の色に合ってるだろ!」
「うん、すごく綺麗。高魔力を探知すると防御魔法が勝手に発動するんだね。買った」
こうしてマリは2人の魔道具(髪留め)を購入した
「毎度あり!また来いよ!」
「うん、またね」
こうして魔道具店を出た
~
「ご主人、本当にいいのか?」
「マリ様…私、気が引けますっ」
「買っちゃったもん。ほら、早速付けてみてよ」
2人は言われるがままにマリから貰った髪飾りを付けた
「光に当たるとすごく綺麗だね!」
髪留めに着いているクリスタがキラッと輝く
「似合ってるよ」
「っ…ご主人、俺からも贈り物をさせてくれ」
「私も!何か返させてください!」
そう言うと2人に手を引かれてさっきの魔道具屋に戻った
「いらっしゃ…あれ、また来たのか」
「ご主人に似合うものを」 「ください!」
「お、おう、わかったぜ」
2人の圧がすごい。
「このブレスレットなんてどうだ?綺麗だろ。小さいがダイヤモンドが埋め込まれてる。こっちはルビーだ」
「これをくれ!」「ください!」
「高いもの買ってくれてありがとよ!マリ様へのお返しか?」
「まぁな」「そうですね」
「そうかそうか、じゃあな!気をつけろよ!」
今度こそ魔導具店を出た
「もう、お返しなんていいのに」「いや、ご主人になにか貰ってばっかりじゃ俺たちの気が済まん」
「そうですよ、いつもお料理作ってもらってますし…」
「ほら、どうだご主人」「どうですか?」
付けてみると白い肌に映えるダイヤモンドとルビーの輝き
「うん。気に入ったよ、ありがとう…2人とも大好き」
二人をギュッと抱きしめる
「そ…そうか。それは良かった」
「気に入っていただけたみたいで…良かったです」
何となく2人とも顔が赤い気がするが気のせいだろうか
更新いたしました、ご覧下さい。
魔族は主にエルフ、ドワーフ、獣人族など人間の亜種のことを指している。それとは違い、悪魔族また、悪魔は人に罠を仕掛け、悪の道に誘う。時には人を殺すこともある。その中でもいちばん強いのは魔王だ。魔王は「500年に一度の大厄災」と言われている。災害、疫病、餓死を世界中にもたらし、人間を極限までいたぶり殺すのだ「悪魔…もうそんな時期か」「どういう時期なんだ?」思わずツッコミを入れてしまうマチ「悪魔が出てきたって事は魔王もそろそろ出てくる頃だな、と思ってね」「魔王ですか…また大厄災がやってくるんですね」怖がりなジェイドは魔王と言う名が出ただけで今にも泣きそうになっている「大丈夫だよ、私強いから」「あぁ、ご主人の強さは確かだ。それに魔王を倒すのはご主人にしか出来ない技だからな」そうだ。この世界の神話では、赤い瞳を持つハイエルフは不老不死、脅威の再生能力を持ち、唯一この世界の大厄災である魔王を倒す魔法が使えると言うが…それは本当である。実際に500年前、さらに500年前の魔王出現の時もマリが倒している。と、そんな話をしていると「あぁ、お昼過ぎてる。長話しすぎちゃった…ご飯ってうかおやつの時間だね」あっという間に時間が過ぎた。「質のいい野いちごと野ベリー買ったから…パイでも作ろうかな」「いいな、そうしよう」早速マチはオーブンを温める「…甘いの大好きだから動くの早いね」「そ…そうか?」マリはあらかじめ買っておいたパイ生地にカスタードクリームと野イチゴ、野ベリーを並べ、生地を中心に寄せながら内側に被せる。「うん、そろそろいい頃だ」マチが溶かしておいたバターを塗り、焼き始めた「あぁ…いい匂いがしますね」甘い匂いがふわっと部屋中を立ち込める。ぐぅぅ…と3人の腹の音が鳴る「今のうちに紅茶の用意しよう」パイに会う紅茶の茶葉を用意する。焼けるのが待ち遠しい「キュッ…キュキュ!」しろも、くろも、もふこ達がいつの間にか姿を現した「みんなも食べたい?」「モキュ!」「そっか、じゃあみんなで食べようね」そんな話をしていると「パイが出来たぞ!」マチの喜びの声が上がる。パイの上から粉砂糖をまぶして「出来た、野いちごと野ベリーのパイだ!」かなり大きいが、きつね色に焼きあがったパイ生地。キラキラと光り輝く野いちごと野ベリー。6等分にに切り分けて
ここは幻樹の森非常に幻想的な森で、ありとあらゆる魔法動物や植物が生きているここで生活するハイエルフのマリ・レヴァンスもうかれこれ5000年以上生きているのだマリは朝起きると最初に窓を開ける「ふぁぁ…風が冷たいなぁ」ひんやりとする風を受けるこの時、ちょうど秋から冬になる所だマリの真っ白で長い髪が光を受けながらサラサラ動く白くきめ細やかな肌に赤い瞳。真っ白な体に赤が映える。その瞳がハイエルフの特徴でもある体は華奢で、本当に5000年以上生きているのかと疑問に思う者も居るだろう「ご主人、紅茶が入ったぞ」マリに声をかけたのは使い魔フクロウのマチとても大柄な男で、黒く所々青く長い髪をなびかせている。瞳も青く、湖のように澄んでいるマリは椅子に座った「ありがとう、頂くね」そこに寝起きであろう、もう1人の姿がある金髪を三つ編みで束ねた男のエルフだ 名はジェイド・グレイマン瞳の色は緑で、まるでこの森のような幻想的で潤んだ目をしている「マリ様、おはようございます…」「ジェイド、おはよう。よく眠れた?」 「…はい、よく眠れましたよ。ですが今朝は冷え込みが強いですね」3人でテーブルを囲んで紅茶を飲む。3人の沈黙を破るようにパチパチと暖炉の薪が音を鳴らす「ご主人、俺は今日も薪割りをするつもりだ。ご主人達はどうする?」「私はジェイドと一緒に薬草を摘みに行こうかなと思って」「そうかわかった、気をつけてな」そんな些細な会話をして、今日も1日が始まった!~「あ、ここにもハテナ草が生えてる。お?こっちにはフシギ草が」薬草取り。マリは魔法薬を作るのが得意だ趣味でもあるのだ「マリ様ー!あちらにダイヤウルフの群れが!」ジェイドが息を切らして走ってきた「よし、お肉も爪も牙も血も、全部頂こう!」ドドドドーーン!!マリが派手に魔法を使った。だが木々には傷1つ付いていない。そしてダイヤウルフが10頭手に入った「ダイヤウルフは名前と違ってお肉が柔らかくて美味しい…それに爪と牙と血は…薬に使える」マリは目を光らせている「ふふ、研究も捗りますね」ジェイドはその顔を見て嬉しそうだったそうこうしているうちに昼になっていたようだ。マチが帰ってきた「マチ、ただいま」「ご主人、おかえり」薪割りを終えたマチが外の椅子に座っていた 「今日はマリ







