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それぞれの日常

Penulis: 一一
last update Terakhir Diperbarui: 2025-07-28 21:00:00

レイ達一行がフィミニアに到着してから約2週間程が経過した。

その間仕事の依頼をこなしつつ、レイの能力向上を目指し、空いた時間は修行に明け暮れる日々が続いた。

「では、私達は行ってきます」

「また後でね〜」

この日も、ニイルとフィオは自警団の仕事を行う為に午後から出掛けて行く。

最早見慣れた光景だった。

この国はとても小さい。

故に噂等はすぐに広まり話題になりやすいのだが、ニイルとフィオも例に漏れず、入団テストでの話が広がり数日でかなりの有名人となっていた。

更にフィオはその可愛らしい見た目と、愛嬌のある性格から特に人気になり、この2週間近くでかなり顔が広くなり、今では遊女に誘われる事も有るらしい。

本人達曰く…

「目立ち過ぎてしまいました」

と、反省の弁を述べていたのだが…

「は〜い…行ってらっしゃい…」

午前の修行を終え、息も絶え絶えで返事をするレイ。

かく言うレイ達も顔馴染みが増え、この街に馴染んできていた。

きっかけはギルドの依頼で向かった初日、娼館での警備を行った時の出来事だった。

その日はそこそこ忙しく、客の人数も多かったそうだ。

人の数が増えれば、それだけ問題が起きる確率も上がるというもの。

この日は運悪く、酔っ払っ

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