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1-1.前園十六夜(2/2)

ผู้เขียน: 夜野たけりゅぬ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-05 17:42:23
 十六夜が見上げた視線の先にあるのは青空のテクスチャーで覆われた天蓋だ。雲の動きもなく風の流れも感じられないただの飾りで味気なさすぎた。これではせっかくあたしたちが配置した園庭までおもちゃのように見えてしまう。

「我が社が責任を持ってリアルな天空をコンストラクトする」

 って、ヤオマンHDの伊礼社長はこの間会った時言ってたけども、それ一年以上前から同じこと繰り返してる気がする。

 その後も冬凪のレクチャーは続き、話の流れで辻沢のもう一つの鎮守社、志野婦神社へ移動しようとしたところで、

「本日の三年生合同授業はここまでね。藤野さん、いつも詳しい解説ありがとう」

 と遊佐先生の一言でクラスの子たちが一斉にロックアウトして楽しいVR郷土探訪の時間はお開きとなった。あたしも操作用の透明なモニターを表示させROCKOUTのアイコンをタップする。すると一瞬目の前が真っ暗になりタイムラグがあって灰色の現実世界(=VR教室)にもどった。強化ガラス製の卵型VRブース、レディーバードエッグ(テントウムシの卵)14がずらっと並んだ階段教室はまるでエイリアンの巣のようだ。

「夏波、あと何分だ?」

 隣の十六夜が神のご託宣を待つかのように固く目をつぶって聞いて来たのは、16才以上18才未満に課せられている後期未成人ロックイン制限の残り時間ことだ。あたしのブースのモニターを見ると警告タイムを示す赤い文字で五十六分となっていた。

「あと四分だよ」

 十六夜が紺青の瞳を大きく見開いて、

「終わった。今日も部室で茶飲み話だ」

 ブースから力なさげに手を出してグーパンチを向けて来る。あたしもそれに合わせてグーパンチ。あたしは部室で十六夜とおしゃべりするのは嫌いじゃない。それは十六夜も一緒で、ロックインできなければできないで楽しい部活動が待っているという意味でのグーパンチだった。

「気分が悪い子は響(ヒビキ)先生にすぐに言うこと。あとからはダメ。それと周りに顔色が悪い子がいたらそれも報告」

 遊佐先生が階段教室の出口を示した。そこで白衣の胸に腕組みしてメモボードを支えた校医兼カウンセラーの響カリン先生が片手を挙げる。

「未成人の子は今日はこれ以上ロックインはしないこと。18才になってる初期成人の子はあと三時間あるけどほどほどにね」

 遊佐先生の
夜野たけりゅぬ

明日(7/6)の更新は 12時と19時の2回です

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    「それじゃあ夏波の来月のカウンセリングは」 響先生はそこでちょっと言葉を切ってから、「そっか、月度は今回のセッションで終わりだったね」 VR空間の中でニコリと笑って言った。今、あたしは学校のカウンセリングルームにロックインしている。そこであたしは緑色基調のウイリアム・モリス生地のソファーに寝そべり壁に設えられたウォールナット材の書棚をぼんやりと眺めていて、そのそばの重厚なサロン椅子に白衣姿の響先生が腰かけてメモボードに何やら書き込んでいる。けれど、実際に響先生がいるのは学校のVRブース、あたしは自宅のベッドに寝ころんで学校から貸与されたVRギアをしている。「はい、今月の六月三十日で十八才ですから」「次の段階の初期成人保護プログラムは一年ごとのカウンセリングだから、来年の六月か。てことは夏波はとっくに卒業しちゃってるね」 あたしは卒業したら進学しないで日本庭園をメタバース空間にディストリビュートする会社を十六夜と一緒に起業する予定だ。なので次回のカウンセリングは民間施設で受けることになり、学校の要請で十六夜とあたしで配置したこのカウンセリングルームとも今日でお別れなのだった。 十五才から十七才のための後期未成人保護プログラムでは、こまごまとした規制が設けられているが、最も重要視されているのが一日一時間のロックイン制限と月一のカウンセリングだ。ロックイン制限については、メタバースで行われるライブやイベントに行けなかったり(一時間じゃ、途中で出て来なきゃなんない)、お買い物とかゆっくりできない(スーパーで買い出しかっての)から、あたしを含め女子のほぼ全員が不平不満の種だ。それに対してカウンセリングについては人間関係、特に恋愛に悩ましいこのころの女子にとっては誰にも言えない悩みを聞いてもらえる場として重宝されている、らしい。恋愛とかまったく興味のないあたしにとってセッションで先生に聞いてもらうことなどほぼないから茶飲み話をする場でしかなく、途中で寝てたなんてことが何回もあった。それもようやく今回で終わる。響先生があたしの顔を覗き込んで言った。近(ちか)っ!「最後だし、禁じ手の夢占いとかしちゃうぞ」 一瞬、最近よく見る夢を思い浮かべたが呑み込んだ。

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     今日もまた三年生合同授業はVR(バーチャルリアリティー)郷土探訪だ。メタバース内に構築された神社の狭い境内に辻沢女子高校(辻女)の生徒たちがひしめき合っていて、白の半袖シャツに青リボン、チェックのスカート姿で、多くの子がスカートを短く巻いて裾をふんわり広げる流行りのスタイルをしている。もちろんみんな自己投影型アバターなのだが、どの生足(なまあし)も、太ももフェチがテンションおかしくするほどリアルだった。 「ここ、宮木野(ミヤギノ)神社は辻沢の鎮守社の一つで室町時代の創建ですが、江戸初期に起きたいわゆる夕霧大火によって一旦は焼亡します。その後、辻沢遊郭の遊女や粋客の寄進により江戸中期に再建されたのが現在の社殿になります」  仮想空間の社殿を背にその階に立ち、引率の遊佐(ユサ)セイラ先生を差し置いて解説しているのは冬凪(フユナギ)だった。 「夏波(ナツナミ)、お前の妹なんとかしろ」  かたや、境内に溢れかえる女子高生たちの一番後ろであたしと並んでイライラを募らせているのは園芸部仲間の前園十六夜(イザヨイ)だ。青メッシュ入りの黒髪を胸元に巻き下ろし血のように赤い唇をしている。 「こらえてあげて。ここも冬凪のフィールドだから」  となだめはしたが十六夜の気持ちも痛いほど分かった。だって、ここの園庭はあたしたち園芸部の産物で去年の夏にさんざん通った現場だったから。 「こんなの流せば5分で終わるのに冬凪のおかげで30分は無駄にしてる。また部活、ゼンアミさんに進捗すら聞けないよ」  十六夜の言う通り、ここのところ部活の作業は庭師のゼンアミさんに任せきりで、あたしたちが現場に行かれたのは数えるほどしかない。 「そもそも、なんでこの授業は毎回ロックインしなきゃなんない?」  十六夜の怒りの矛先が授業形態に飛び火する。  たしかに郷土探訪というのならヴァーチャルでする必要はないと思う。実物の宮木野神社は学校からすぐ近くなのだから歩いて見学しに行けばいいことなのだ。 「こちらにある石碑に祭神である遊女宮木野の来歴が記されています」  冬凪がモーセのようにJKの海を割って境内の反対側まで移動し、その小柄な身長の3倍はある石碑の前

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     気づくと夏祭りの境内にいた。夜空に真ん丸の月が出てたから潮時(しおどき)の閾(しきい)の時間帯で意識はまだボクと「あたし」との端境(はざかい)を彷徨っていたんだと思う。そうでなければあんな危険な存在に魅了されたりしなかったはずだから。 志野婦(シノブ)神社の参道は夜店が並んで提灯の明かりに頬を染めた人たちが行き来していた。ボクはママのおさがりの浴衣を着て、金魚すくい屋の青いドブ漬けの前にしゃがみ、子供たちが和金や琉金、出目金をポイで器用に掬う様子を、露天商のおじさんが「ねえさんもどうだい」というのを断って眺めていた。 そこへ夜風に乗って甘い香りが漂ってきた。それは季節がら嗅ぎなれたものとは別して甘い甘いクチナシの香りだった。ボクは立ち上がり、妖艶な刺激に誘われるまま参道裏の杜の奥へと分け入った。杜の中は月の光も射し込まずほの暗かったが道はぼんやりと浮き上がって見えていた。それはクチナシの白い花びらが地面に敷き詰められていたからで、ボクはその花びらを踏んでさらに杜の奥へと進んで行った。 甘い香りが立ち込める純白の道をしばらく行くと、小高い舞台のような場所があって月光が天から真っ直ぐ差していた。それはまるで月まで届く巨大樹が生えているよう。その光の中には白馬に乗った白装束の人がさやけき姿で照らされていて、まるで咎人のように輪になった荒縄を首にかけ後ろ手に縛られていたのだった。 何故だかボクはその人のことを大昔から知っている気がしてきて、そうしてずっと待っていてくれたのだと胸を詰まらせ近づいて行った。月影目映い舞台に上がり側まで歩み寄ると、その人は手が不自由なはずなのにボクを馬の背に引き上げてくれ横抱きにし、ボクの顎に氷のような指先を添え微笑んだ。その顔は月の光で乳白色に輝き、なにより美しかった。まさにクチナシの精のような人だった。 その時ボクは、その腕に抱かれたまま愉楽の園に連れて行かれたい、その煌めく銀色の牙でボクの穢れた喉笛を食い破り、迸る真紅の玉の緒を吸いつくしてほしい、そう心の底から願った。 突然、体に鋼鉄の大玉がぶつかったような衝撃が走った。勢いでボクは月光咎人の手から月光の舞台に転げ落ちた。「逃げるよ!」 鋼鉄の大玉かと思ったものは人で、転がるボクの手を取って走り出した。引っ張られてボクも走り出す。その速さは浴衣の裾をからげてもついて

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