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2-77.蓑笠連中掃討作戦(3/3)

ผู้เขียน: 夜野たけりゅぬ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-09-23 18:00:31

「「寒っぶ」」

 バイト帰りで薄着だったので余計に寒かった。

窓を見ると霜で外が見えなくなっていた。

「ごめん。何か着る物ないの?」

 伊左衛門が申し訳なさそうに言うと、豆蔵くんがカーテンをひきちぎって冬凪とあたしに渡してくれた。

赤い裏地の黒い遮光カーテンだ。それを体に巻き付けて寒さをしのぐ。

「次は廊下の制圧」

 豆蔵くんと定吉くんが出口に向かいかけたとき伊左衛門が、

「切り込まなくてもここの結界を広げるだけで外に追い出せるかも」

 伊左衛門が廊下に向けて印を結ぶと白い空気が勢いをつけて廊下を浸透して行った。

蓑笠連中はそれに押されて後退するもの、窓を割って外に落ちるものがいて、最後はこの階から一体も存在しなくなった。

最上階クリア。

「このまま階を下げる」

 結界を階ごと下に落としていくらしい。それが成功すれば授業棟のクリアも完了だ。

「時間はそんなに掛からない」

 そう言って、伊左衛門は印を結んだ手を下げてゆく。

霜の張った窓から外を見下ろすと、その度に蓑笠連中が外にはじき出されるのが見えた。

「よし、この建物は終わり」

 その後、順調に教務棟(先生いるかと思ったら誰もいなかったもよう)と図書館棟も結界を張り終わった。

外にあぶれた蓑笠連中の量がさっきよりずいぶんと増えていた。

 そして前園記念部活動棟に手をつける。

「ここは、すでに園芸部に結界を張ってあるからすぐに済むよ」

 伊左衛門が再び印を結ぶ。

「ちょっと待って」

 冬凪が伊左衛門を止めた。

「何?」

「誰かいる」

 VRルームの全ブースの情報端末に緊急メッセージありと出ていた。

これは校内で生徒に何かあった場合にリング端末からその場所のマップとともに発報されるものだった。

あたしは手近なブースの情報端末を開いた。

すぐにモニターにマップと映像が映し出される。

マップは部

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