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第113話

Author: 閑雲
志保は陽咲のすぐ傍らに立っていたため、その言葉をはっきりと聞き取った。彼女は案じるように陽咲を見つめ、小さく首を横に振った。

楓斗が陽咲に対して何か危害を加えるのではないかと危惧したのだ。

楓斗は志保を一瞥すると、言葉を継いだ。「僕はね、大事な話をする時に他人が同席しているのが好きじゃないんですよ。陽咲さんなら、理解していただけますよね?」

今の彼の陰惨な表情のどこに、以前見せていたような温厚で理知的な面影があるだろうか。

少し前に陽咲に見せていたあの態度は、彼女の警戒心を解くためのただの芝居だった。

これこそが楓斗の真の姿なのだ。陽咲は心の中でそう確信した。

「いいですよ。笠井さん、あなたは下がって」

陽咲はそう口に出して命じると同時に、志保に目配せをし、蒼空へ連絡するよう暗に指示を出した。

志保はその意図を正確に読み取り、それ以上は反対しなかった。ただ、楓斗に向かって「妙な真似をしたら承知しない」という無言の警告を一瞥として残し、その場を離れた。

彼女は自室に戻るなり、真っ先に蒼空のプライベート用番号へ電話をかけた。

蒼空はかつて、一刻を争う緊急事態が起きたらこ
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