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第26話

Author: 閑雲
写真の五つの茶碗は色彩が単調で、筆致も稚拙だった。

一目で素人の作だと分かる代物だ。

蒼空は視線を戻した。これが彼女たちの用意した目くらましだと気づきながらも、あえて追及はせず、ただ笑みを浮かべた。「私の誤解でしたね、清水さん」

数言を交わした後、蒼空は立ち去った。

彼の背中が遠ざかるのを見届け、陽咲は密かに安堵の息を吐いた。

傍らにいた栞奈が、声を潜めてこぼした。

「ああ、心臓が止まるかと思った。蒼空に何か見抜かれたのかと」

陽咲も今になって背筋が冷たくなる思いだった。

一方その頃。怜央は主催者を見つけ、「浮世の小景」の作者に一目会いたいと申し出ていた。

彼はこの作品をいたく気に入り、高値で競り落としたいと考えていたのだ。

主催者は困惑しつつも栞奈にメッセージを送り、ある大物がこの陶磁器に目をつけ、落札したがっていると伝えた。

「陽咲、会ってみる?」

陽咲は拒絶した。

今はまだ自分の正体を明かすつもりはない。

しかし主催者によれば、相手は作者に会うまで一歩も引かない構えだという。

陽咲はため息をつき、その大物とやらに対面するため二階へ向かおうとした。

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