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猫と桜②

last update Date de publication: 2026-01-03 19:10:17

「お庭、広いですよね。しかもいろんな植物が植えられています」

 ふと感想をもらした間遠へ、古川大貴は言った。

「亡くなった祖母が、ガーデニングを趣味にしていたんです。その後は祖父が世話をしていました」

「お一人で、ですか?」

「さすがにそれは無理なので、孫の僕たちが手伝ってましたよ。ただ、この家もどうなってしまうか……」

 古川大貴が沈んだ表情をし、間遠は静かに問いかける。

「この家、取り壊してしまうんですか?」

「親戚たちの間では、そういう話になっています。もう誰も住む人はいないので、土地ごと手放そうって」

 寂しい話だ。これだけ立派な日本家屋が、じきに取り壊されて更地になってしまうなんて。

「それじゃあ、ソラちゃんは?」

「僕が引き取るつもりです。祖父の次に懐いていたのが僕なので」

「そうですか」

 猫に居場所があるだけマシだと思った間遠だが、あらためて窓の外を見てひらめいた。

「Sって、桜じゃないですか?」

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