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猫と桜①

مؤلف: 晴坂しずか
last update تاريخ النشر: 2026-01-02 19:10:57

 インターネットを通してやってきた依頼を見て、久我健人くがたけとは眉をひそめた。

「猫……?」

 自分の席でコーヒーを飲んでいた間遠桜まどうさくらはそちらを見る。

「猫探しの依頼っすか?」

「ああ、いや、そうじゃないんだ。遺言状に愛猫の名前だけが書かれていて、その暗号を解いてもらいたいという内容でな」

 久我はそう答えたが、気乗りしない顔で息をつく。

「何だか妙な話だ。注意した方がいいかもしれない」

 間遠は首をかしげ、隣の席の神崎寿直かんざきすなおと顔を見合わせる。

「最近の久我さん、ちょっと神経質じゃね?」

「ええ、おかしいですね。疲れてるのかもしれません」

「そっか。じゃあ、オレが行きます」

 と、間遠はコーヒーを飲み干して立ちあがった。

「場所、どこですか?」

「待て、まだ引き受けると決めたわけじゃない」

「受けないんですか? 暇なのに」

 間遠が返すと、久我はため息をついた。<
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  • 久我探偵事務所の灯りの下で   白黒グレー①

     一月も残すところあと六日となった平日、元気な声がまたやってきた。「お疲れさーん」 あいかわらず無精髭を生やした鯉川宗吾だ。 パソコンの画面とにらめっこしていた久我健人は、はっとして顔を向けた。「鯉川さん、お疲れ様です」「今日はおじさん、機嫌がいいから、みんなに差し入れしちゃう。インポケさんでパウンドケーキを買ってきたよ」 と、鯉川は笑顔で手にした袋から個包装されたパウンドケーキを取り出し、久我へ差し出す。「ああ、ありがとうございます」 久

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   知らない君③

    「は?」 久我の目がまん丸になり、神崎と相楽も話すのをやめて間遠を見る。「オレはただ、久我さんが毎日何を食べてるのか知りたくて、昼食をチェックしてたんです。 その……実はオレ、久我さんに一目惚れしてまして」 間遠がすべて告白すると、めずらしく久我は頬を紅潮させた。「な、何だそれは。初めて聞いたぞ」「初めて言いましたもん。オレ、出会った時からずっと、久我さんが好きなんです!」 間遠にとって、一生に一度あるかないかの大胆な告白だった。 一方、久我は上ずった声で言う。

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   知らない君①

     電話を終えた久我健人が戻ってきて、相楽浩介に声をかけた。「相楽、これから張り込みに行ってもらえるか?」「どこですか?」「新宿だ。僕の弟、康人のアパートに行ってもらいたい」 思いがけない言葉に相楽は目を丸くした。「何かあったんですか?」「先週から毎日、郵便受けにミニカーが入れられているらしい。康人の使っているのと同じ車種、同じ色のミニカーだ」 相楽はぎょっとしてしまった。悪質な嫌がらせではないか。 久我もそうしたことを理解した上で話を続ける。「つ

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   ウカポン友の会③

     もなかの質問は極端だったが、璃久は不快になった様子もなく肯定した。「うん、そういうこと。でも、ボクはあんまり恋愛経験がないから、実際にどうなるかは分からないよ? でもね、だからこそ、わくわくするんだ」 そう言って、璃久は大きな目を輝かせた。「どんな人と恋に落ちて、二人でどんな風に過ごすのか。 ボクには可能性にあふれた未来が待ってるから、毎日が楽しいんだよ」 もなかは呆けたように息をつき、神崎は頬杖をついて璃久を見つめた。「やっぱり、璃久ちゃんはすごいね。その前向きさ、おれにも分けてほしいくらいだよ」

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