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第3話

مؤلف: 薫風
式が終わるまでのほんの30分にも満たない時間だったというのに。

だが、母は俺をきつく睨みつけ、不満げに吐き捨てた。

「あなたって子は、いい大人なんだから、もう少し分別をわきまえられないの?栄太は元々思い詰めやすい性格なんだから、もし何かあったらどうするつもり?」

父も頷き、厳しくこう言った。

「たかが結婚式だろう。俺たちがいようがいまいが何も変わらない。俺たちは先に栄太の様子を見に行ってくる。式が終わったらお前もすぐに来い。栄太は今、精神的に不安定なんだ。兄として少しは譲ってやれ」

彼らは俺の人生で最も重要な日に、俺を置き去りにしたうえに、弟に譲ってやれと言い放った。

招待客の前でキレて、皆に恥をかかせるような真似はしたくなかった。

だから、俺は堪え忍んだ。

しかし栄太のやつは図に乗っていた。父たちを呼び出したにもかかわらず、執拗に雪乃に電話をかけ続けた。

挙句の果てには式場に乗り込んで花嫁を奪っていったというのに、誰一人としてあいつを責めようとはしなかった。

なんて滑稽なんだろうか。心の奥底から果てしない苦痛と悲哀が込み上げてきたかと思うと、不思議とすっと憑き物が落ちたような感覚に陥った。

もういい。これで終わりにしよう。

こんな連中、もう必要ない。

「何をぼさっと突っ立っているんだ。さっさと入ってきて、親戚や友人たちに自分で電話して謝れ。いい歳して、まだ親に尻拭いをさせるつもりか」

父は苛立ったように俺を睨みつけ、参列者の名簿と電話番号のリストを投げつけてきた。

母も立ち上がり、俺を責め立てた。

「今日はどうして栄太に手を上げたりしたの。あの子の事情を知らないわけじゃないでしょうに、どうして少しは我慢してあげられないの?ほら見て、こんなに酷く殴って。口の端から血が出ているじゃないの」

雪乃は身動き一つせず、俺を見ようともしなかった。

ただ栄太だけが、これ見よがしに勝ち誇った顔で俺を見つめ、雪乃の髪をいじっていた。

この一家の姿を目の当たりにして、俺の心は芯まで冷え切った。

この瞬間、俺ははっきりと目が覚めた。

俺と雪乃が無事に結婚できなかった本当の障害は、栄太なんかじゃない。

とっくの昔に別れるべきだったのだ。

それなのに俺はどうしても諦めきれず、痛い目を見るまで意地を張っていただけだった。

でも、これでいい。完全に終わらせよう。

雪乃とも、桐谷家とも。

「陽斗、少しは礼儀をわきまえなさいよ。おじさんとおばさんが話しかけているじゃない!」

雪乃は不満そうに俺を睨みつけた。

すると栄太は、慌てて彼女の袖を引き、小声で呟いた。

「いいんだ、雪乃。お兄さんを責めないで。今は機嫌が悪いんだ」

俺は呆れて白目を剥きそうになった。男のくせに腹黒く媚びを売るそのあざとさは、無性にぶん殴ってやりたくなる。

「お兄さん、怒らないで。僕はただ発作が起きて、自分を抑えられなかっただけなんだ」

俺は数歩前に進み出ると、テーブルのグラスを手に取り、あいつの顔面に向かって思い切り水をぶちまけた。

「はっ、発作が起きて抑えられないって自分でもわかってるなら、さっさと精神科にでも入院しろよ」

あの三人は一斉に動き出し、慌てふためいてあいつを庇い、怪我がないか確認し始めた。

「出て行け、今すぐ出て行け!」

父は怒り狂って俺に怒鳴り散らし、母は底知れぬ失望を浮かべた顔で俺を見つめた。

雪乃に至っては、顔を真っ赤にして怒り狂い、俺を指差して激しく罵倒した。

「陽斗、何事にも限度ってものがあるわ。やりすぎよ!私たちの間の問題に、どうして栄太を巻き込むのよ!」

怒りを通り越して笑いが込み上げてきた。俺を責め立てる三人からは見えない死角で、栄太は俺に向かって嘲笑と哀れみの入り混じった眼差しを向けていた。

俺はあいつを指差し、一文字ずつはっきりと告げた。

「今後、二度と俺の前に姿を現すな。もし見かけたら、その度に殴り飛ばしてやる。お前たちがそんなに栄太を大事に思っているなら、俺は身を引いてやるよ。

今日ここを出て行ったら、二度と一歩も足を踏み入れない。雪乃、俺とお前の関係も、これで完全に終わりだ」

俺は背後から突き刺さる呆然とした視線など意に介さず、一歩一歩玄関へ向かって歩き出した。

「陽斗、あなた……」

母が信じられないというように俺を引き留めようとしたが、父がそれを遮った。

「放っておけ。勝手に出て行かせろ。どうせ口先だけで強がっているだけだ。数日もすれば、自分から尻尾を巻いて戻ってくるさ」

俺は苦笑した。心の底に残っていた最後の僅かな希望の火種も、父のその冷酷な言葉によって完全に消し去られた。

俺は歩みを速め、20年以上暮らしてきたこの家から遠ざかっていった。

いや、ここはとっくの昔から、俺の家などではなかったのだ。

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