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第232話

Author: クレヨンまるこ
メッセージを見た咲夜は、スマートフォンを手にしたままウォークインクローゼットに向かった。

外出に適したスポーツウェアに着替えると、そっと部屋のドアを開ける。

家の中は静まり返っていた。

詩乃も瞳も、すでに眠っているのだろう。

咲夜は足音を忍ばせながら階段を下りた。

少しでも物音を立てて、二人を起こしてしまわないように。

ガレージに着くと、一台のカスタム仕様の黒いバイクの前で立ち止まる。

ヘルメットを被り、乗り込もうとしたその時――

「こんな時間に、どこに行くんだ?」

突然聞こえた声に、咲夜の心臓が跳ねた。

慌てて顔を上げると、いつの間に来たのか、そこには千暁がいた。

咲夜のガレージは、ちょうど千暁の家と隣接している。

よく見ると、彼の髪には数枚の落ち葉が引っかかっていた。

咲夜は目を見開く。「……まさか、塀を乗り越えてきたの?」

どう見ても、自宅側のフェンスを越え、こちらの敷地に入り込んだとしか思えない。

天下の荻野家の御曹司が、深夜に隣家の塀をよじ登るなど。

そんな話が広まれば、イメージに関わるどころの騒ぎではない。

それ以上に、千暁がそんならしくな
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