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第1010話

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天音は洵の好感度を稼ぎたい。だが、洵は道徳心が非常に高い。彼女が人を虐げる姿を見られてしまっては、抱かれた心証を覆すことなど不可能だ。

天音は歯噛みした。彼女は努力した分は必ず見返りを求めるタイプであり、中途半端なことは大嫌いなのだ。

せっかく少しうまくいきかけていたのに、怒りに任せて洵の存在を失念していたせいで、全てが振り出しに戻ってしまった。これでは徒労に終わったのも同然で、挫折感と時間の無駄だけが残った。

演技にギャラは求めていないが、最低限の見返りくらいはあって然るべきだろう。

怒る気力も失せた天音は、無言で漆黒の道を眺め、手遊びをしたり服の裾をいじったりしているうちに、次第に睡魔に襲われてきた。車内があまりに静かだからか、あるいは洵の運転が安定しているからか。

気のせいだろうか。来る時はまるで命知らずの暴走運転で、さっさと用事を済ませて帰りたいという焦燥感が溢れていたのに、今はどうしてこんなに安定しているのか。

眠気に勝てず、その疑問は一瞬で霧散し、目を閉じた途端に意識が落ちた。

どれくらい時間が経っただろうか。騒がしい音で目が覚めた。

天音は不機嫌そうに目を
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