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第346話

作者: 歓乃
柚葉の笑みが一瞬引き攣った。

彼女は利明をちらりと見て、すぐに苦笑いを浮かべる。「順調よ」

利明は眉をひそめ、再び話題を変えた。「料理も運ばれてきたことだし、まずは食べよう。お腹空いたんだろ?」

美雪は、最近何かが起きていることを察した。

食事の間、柚葉は何度も心ここにあらずといった様子で、その横顔に時折憂鬱な影を落としていた。美雪に声をかけられるとすぐに繕った笑みを作るあたりから、無理をしているのは明らかだった。

美雪は尋ねようと何度も考えたが、場にそぐわないため結局は黙ることにした。

食事が終わると、利明が柚葉に聞いた。「具合が悪そうだけど、病院に連れて行こうか?美雪と一緒に付き添うよ」

「病院」という単語を聞いた途端、柚葉は首を強く横に振った。何かを極度に恐れているようだった。

「病院に行く必要なんてないわ。ただ少し、眠れていないだけだから」

その言葉を信じていない利明は、美雪に車で待つように伝え、一人で柚葉を家まで送り届けることにした。

マンションの下に着いた別れ際、利明は柚葉に切り出した。「もしかして……妊娠しているのか?」

なんで利明が知っているのだ?
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