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第812話

Author: 歓乃
利明は大きく息を吸い、気持ちを落ち着かせた。自分は兄なのだから、妹を優先してあげる。それは幼いころから、ずっと当たり前のように身についていた考え方だった。

そして今、凛は自分の妹だ。

間違いなく、妹なのだ。

「おじいさんたちがさっきついて、君がどこにいるのか聞かれたから、迎えに来たんだ。帰って、二人に顔くらい見せてやってくれないか?

父さんだって、家具も何もかも自分で確認しながら、君の部屋を用意した。いつ帰ってきても暮らせるようにって。そういう父さんの気持ちも、少しは考えられないのか?」

海斗が冷ややかに言い返した。「じゃあ、凛の気持ちは誰がわかってやるんだ?」

利明は眉を寄せ、海斗を見る。「昨日は凛を迎えるために盛大な席まで設けたし、午前中は神谷家の親族が全員集まって、午後には付き合いのある人たちまで祝いに来た。それでも足りないっていうのか?」

そんな利明を鼻で笑う海斗。「そもそも凛に神谷家に戻ってほしいと言い出したのはそっちで、凛が戻らせてくれって頼んだわけじゃない。それに、どうしてあそこまで大々的に披露したのか、本当にわかってないのか?」

利明もそこまで鈍くはなか
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