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第21話

Author: タマタツ
病院の処置室の前。

凪杜は全身血まみれで、ぶるぶると震えていた。

先ほどまで野々花の体から血が止まることなく流れ続け、その光景はあまりにも凄惨だった。

頭の中はぐわんぐわんと鳴り、真っ白になる。

廊下には那乃葉の泣き声が響いているのに、凪杜はまるで真空の中にいるかのようで、呼吸すら苦しかった。

やがて伊藤がよろめきながら駆けつけてきた瞬間、彼は夢から覚めたように相手の首を掴み上げた。

「伊藤、野々花はいったい何を食べた?!」

伊藤は顔を赤くしながら苦しそうに答える。

「ふ、普通の......晩ご飯です......」

伊藤は彼の母親の実家の古い知り合いだ。

どんなことがあっても、野々花に何かするはずがない。

凪杜は力なく手を放した。

やがて、救急室の扉が開く。

千晶がマスクを外し、彼を隅へと引き寄せた。

「薬、渡す相手を間違えたのか?」

「そんなはずない!ちゃんと絃葉のバッグに――」

言葉は途中で途切れ、瞳孔が急激に収縮する。

「まさか......野々花が中絶薬を飲んだっていうのか?!」

千晶は無力そうに肩をすくめた。

「ああ。胚も完全に落ちた。残念
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