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第139話

Author: かけるに
梨沙は一瞬ぼんやりしたあと、笑顔で力強くうなずいた。

「私もとてもうれしいです。実は、14歳のときに使い始めた補聴器も、支援してくださった方から贈られたものなんです」

礼都は無意識に、梨沙の耳元へ目を向けた。

雪のように白い肌。

耳の後ろだけが、ほんのり赤く染まっている。

梨沙は、当時のことを思い出した。

ある日、地域の福祉担当者が突然自宅を訪ねてきた。

都北に住む資産家が、障害のある子どもたちを支援する事業を始めたので、梨沙の事情も申請しておいたという。

すると、思いがけず本当に支援対象に選ばれたのだ。

それ以来、梨沙は、海渡と琉生が夏休みにアルバイトをして買ってくれた、質の低い補聴器を使わずに済むようになった。

梨沙は、今でもはっきり覚えている。

「あの事業は『若葉プロジェクト』という名前でした。祖母は、私も小さな若葉の一つで、運よく誰かに見つけてもらえたんだと言っていました」

礼都はわずかに目を見開いた。

「若葉プロジェクト」。

それを立ち上げたのは、彼の母親だった。

当時、礼都は警察学校を卒業したばかりで、警視庁の特殊部隊へ配属され、初めて大規模な
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