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第174話

Author: 小円満
時生は優子と雅代を連れ、私たちの正面に座った。

まさか、私と時生が初めて裁判で対峙するのが、離婚の件ではなく、愛人の家庭問題によるものだとは、思いもよらなかった。

相変わらず、黒澤家お抱えの弁護士が雅代の弁護を担当していた。ただ、その弁護士も、こちらの弁護士が高司だと分かった途端、最初の自信満々の顔つきが微妙に変わったのがわかった。

裁判が始まると、私は初めて、この弁護士界の「死神」の実力を目の当たりにした。彼は言葉ひとつひとつで相手の論理の隙を正確に突き、上品で穏やかな口調ながら、その背後には断固たる殺気が漂っていた。相手は次々と押されていく。

最終的に、裁判官が判決を読み上げ、私たち側の勝訴が宣言された。思わず視線を隣の高司に向けると、口元の微笑みは変わらないまま、眼鏡の奥の目尻に満足そうな光が差していた。

雅代には三か月の拘留が言い渡され、その場で執行された。連行されるとき、優子は声をあげて泣き、まるで雅代と一緒に行きたがっているようだった。

時生は彼女をそっと抱き寄せ、慰めるように言った。「落ち着いて。俺が何とかするから、信じて、ね?」

優しく、丁寧に諭すその声に
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