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第6話

Author: 山田奈々子
創真の手が、びくりと止まった。

私の手首を握る力が一瞬強まり、次の瞬間には、やけどでもしたように離れた。

看護師を凝視するうち、彼の顔からみるみる血の気が引いていった。

「今、何て言った?」

急に鋭くなった声に、看護師はおびえ、言葉を詰まらせながら繰り返した。

「た、高瀬さんのお母さまは……先週の水曜日の夜、救命処置の甲斐なく……亡くなられました……」

「先週の水曜日」という言葉が、鈍い刃のようにゆっくりと空気を切り裂いた。

創真が息をのみ、そのまま呼吸さえ止めたのが分かった。

ゆっくりと振り向き、私を見た。

その目には、信じられないという思いしかなかった。

「美緒」

声がかすれていた。

「今の話……本当なのか?」

私は何も答えなかった。

創真は一歩踏み出すと、取り乱したように両手で私の肩をつかんだ。

「嘘だと言ってくれ。お母さんは元気だっただろ?あの日だって、美緒は給湯室で俺と話して――」

「あれは月曜日だった」

彼の言葉を遮った。

自分の耳にも届かないほど、かすかな声だった。

「火曜日の夜にお母さんが救命処置を受けて、水曜日の未明に亡くなったの
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