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肌より深く、声より静かに

作者: 中岡 始
last update 最終更新日: 2025-07-06 16:24:09

ベッドの上には、最小限の白いシーツがきちんと敷かれていた。仮眠用にと用意されたそれは、ほとんど使われたことがなかった。須磨は、自分がこの場所で眠りこけた記憶すらあまりないことを、ふと意識の隅で思い出していた。だが今、隣に座る塩屋の吐息を感じながら、その全てが“用途のため”だったのではないかと、静かに思い直していた。

ソファでの会話が途切れたあと、ふたりは無言のまま立ち上がり、ただベッドへと向かった。約束も、確認も、冗談すらなかった。ただ、互いの呼吸が導くままに、ゆっくりと距離を詰めていった。どちらが先だったのか、もう思い出せない。けれど、頬が触れ合うよりもずっと手前の場所で、ふたりの体温はすでに交わっていた。

須磨は塩屋の手をとった。指を絡めるのではなく、まずはその掌の内側をそっとなぞる。滑らかな皮膚の感触。ひんやりとした温度が、やがて須磨の体温を吸い込んでいく。塩屋は抵抗しない。むしろ、その指先がこちらを求めるように震えているのが分かる。

シーツの上に、静かに塩屋を横たえる。そのまま自分も、肩が触れるほどの距離で横になった。互いの顔が至近距離にあった。塩屋の睫毛が、驚くほど長く、光を反射して淡い影を作る。お互いの吐息が、額と額の隙間で交じり合い、ひとつの浅い雲のように漂う。

「…なんだろう、この感じ」

塩屋が、ほとんど聞き取れないほど小さな声で呟いた。問いかけでもなく、誰に向けたものでもない。須磨は返事をせず、そっと塩屋の額に自分の額を寄せた。二人の体が、どちらからともなく密着していく。触れる部分すべてが、互いの“輪郭”を確かめようとするように、ゆっくりと動く。

愛撫、というにはあまりに静かな手つきだった。須磨は塩屋の髪をすくい、耳の後ろへ滑らせる。その流れで頬に触れ、顎のラインをなぞる。塩屋は目を閉じ、指先がシーツをつかんだ。爪の先から伝わる微かな震えが、須磨の手のひらに直接伝わってくる。

ふたりの呼吸は、次第に速くなっていく。けれど声はない。ただ、熱だけが音も立てずに、部屋の空気を濃く染めていく。

塩屋が、ゆっくりと須磨の肩に腕をまわした。その手は、頼るように、あるいは何かを抑え込むように、須磨の背中をなぞる。須磨もまた、塩屋の指を握りしめた。指と指が、まるでお互いの体温を奪い合うように、じっと絡みつく。

肌の接触は少しずつ増えていくが、どこまでいっても激しさはなかった。むしろ、その慎重さと不器用さが、すべてを確かめるための“儀式”のように思えた。

塩屋の頬が、須磨の首筋にそっと押し付けられる。湿った吐息が、首元をかすかに撫でる。塩屋は何かを言いかけたが、声にならなかった。ただ、抑えた息が須磨の肌を熱く湿らせる。

「…須磨さん」

掠れる声で、名前を呼ばれる。須磨はその声を受けとめるように、塩屋の額に口づけた。体がわずかに跳ね、そのまま塩屋が静かに身を寄せてくる。二人の足が絡まり、シーツが少し乱れる。汗の匂いと、湿った空気が混じり合い、呼吸の音だけがやけに大きく響く。

愛している、とは誰も言わなかった。けれど、今ここにあるすべてが“答え”だった。欲望よりも、もっと切実なもの。確かめたかったのは、体でも名前でもない。ただ「この瞬間の熱」を互いに忘れないための、慎重な接触だった。

塩屋の手が、須磨の髪に絡む。そのまま額と額を重ね、ゆっくりと息を揃える。唇は触れたが、重ねることはなかった。あまりにも近すぎる距離で、お互いの鼓動が、胸を通してはっきりと感じられた。

シーツが擦れる音だけが、静かに夜の空気を裂いていく。二人は何度も目を閉じ、ただその余韻に浸った。

塩屋が、もう一度だけ、須磨の首筋に顔を埋める。声にならない吐息が、細かく震えて、須磨の体の奥を叩いた。誰にも説明できないものが、そこにあった。触れ合う皮膚、交差する視線、熱を帯びて震える呼吸。それはすべて、愛でも欲望でもない、けれどどちらよりも切実なものだった。

ベッドサイドの時計が、静かに時を刻む。雨音は、もう聞こえなかった。

ただ二人の呼吸だけが、夜のなかに静かに、確かに響いていた。

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