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last update Date de publication: 2026-02-01 12:09:03

「あらあら、大変」

 麗華は勝ち誇った目で小夜子を見下ろした。

 口元を手で隠しているが、意地悪な笑みは隠しきれていない。

「やっぱり成金のホテルには、芸術の神様も降りてこないのね。お寒いパーティーだこと」

「おい黒崎君、これはどういうことかね?」

 郷田会長がニヤニヤしながら隼人に近づいてくる。

 絶体絶命の窮地。

 隼人が対応に追われて一瞬だけ意識を逸らした隙に、小夜子の姿がフッと消えた。

 ホールのざわめきから離れた、ホテルのバックヤード。パニックになるスタッフの波を縫い、小夜子は一人で歩いていた。

 向かった先は、厨房の奥にある専用の棚。彼女はそこから古びたが手入れの行き届いた、漆塗りのカップを取り出した。実家から持参した、唯一の私物だった。

(お義姉様が壊した時間を、私が繋ぎ合わせます)

「ハーブはありますか? レモンバームとミントです」

 小夜子の声に、厨房にいた料理人が返事を

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