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【第10話】融ける一線

작가: 櫻恭史郎
last update 게시일: 2026-07-16 18:10:24
 ローゼンタール家の使者が逃げ帰ってから数日。

 黒曜宮は、また静かな時間を取り戻していた。

 だが、数日がたったある日の深夜。

 突如として黒曜宮は、セラがこれまで体感したことのない、膨大な禍々しい魔力に包まれた。空気は凝固したように動きをはばみ、呼吸をするだけで胸が焼けるような感覚がある。

 ジェイドにかけられた呪いのうねりが、圧倒的な力であたりを支配していた。

 セラは、本能的な恐怖に全身をふるわせながらも、考えるよりも先に、ベッドから這い出て廊下に走り出た。

 あたりには、濃厚な漆黒の霧が立ち込めている。

 それは視界を奪うだけでなく、触れるものの生命力を削ぎ落とす死の毒気のようでもあった。セラは指先で、黒い霧をはらいながら、ジェイドの部屋の扉に手をかけた。

 闇だ。

 部屋の内側は、闇につつまれている。

「ジェイド!」

 部屋の奥から聞こえてきたのは、獣の咆哮ではなかった。

「セラ……、逃げろ!」

 苦しげにそう言うジェイドの声が聞こえた後、部屋に響いたのは、獣の悲鳴のような声だった。生きたまま肉を裂かれでもしているような悲痛な響きが、セラの身をも切りつけるようだった。

 セ
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