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第 545 話

Author: 江上開花
まともな人間なら、これほど恥をかけば、その場で妥協して諦める道を選ぶだろう。

だが、路加は違った。

亜夕美の前でだけは、死んでも無様な姿を見せたくないのだ。

路加は博人の腕を掴む手に力を込めた。博人もまた、亜夕美の挑発に耐えきれず、吐き捨てるように伝票にサインをした。

店員は愛想よく二人に明細を渡し、住所を聞いて商品の配送を手配した。

路加は後でこっそり返品してやろうと企んでいたが、振り返ると亜夕美がまだ横に立っていた。

「あなた、なんでまだいるの?」

亜夕美は優雅に微笑んだ。「ええ。路加さんが後悔してキャンセルしないか、心配で。一度買ったものを返品するような、無様な真似はなさらないでしょう?
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