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246話

Auteur: 籘裏美馬
last update Date de publication: 2026-06-13 16:52:17

「お母さん!」

「恭ちゃん、あまり深い所に行っちゃ駄目よ!」

「はーい!」

きゃっきゃ、と楽しそうにはしゃぐ恭や翔、光希。

子供達3人の傍には、翔の父親と伏見もしっかりついてくれている。

大人の膝下くらいの川の深さだが、子供からしたらかなり深い。

川の流れは殆ど無い場所ではあるが、それでも毎年川遊びで痛ましい事件があるのだ。

注意するに越したことはない。

音羽は心配でハラハラとしていたが、恭や翔、光希の傍では彼らの父親がしっかりと足を取られたり溺れたりしないように見てくれている。

少しでも子供達が離れた場所に行こうとすれば、伏見が反応して子供を捕まえに行ってくれる。

心配そうに子供達を見守っている音羽に、翔や光希の母親が笑って声をかけた。

「恭くんのお母さん、大人がついているので大丈夫ですよ。安心して見守りましょう」

「翔くんのお母さん……」

「ほらほら、川遊びでお腹を空かして戻ってくるから、ご飯の支度をしましょう!」

ホットサンドメーカーを持ってきたから、軽い朝食を作っちゃいましょ!そう明るく笑って支度を始める光希の母親に、音羽も小さく頷く。

川で遊
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    「お母さん!」 「恭ちゃん、あまり深い所に行っちゃ駄目よ!」 「はーい!」 きゃっきゃ、と楽しそうにはしゃぐ恭や翔、光希。 子供達3人の傍には、翔の父親と伏見もしっかりついてくれている。 大人の膝下くらいの川の深さだが、子供からしたらかなり深い。 川の流れは殆ど無い場所ではあるが、それでも毎年川遊びで痛ましい事件があるのだ。 注意するに越したことはない。 音羽は心配でハラハラとしていたが、恭や翔、光希の傍では彼らの父親がしっかりと足を取られたり溺れたりしないように見てくれている。 少しでも子供達が離れた場所に行こうとすれば、伏見が反応して子供を捕まえに行ってくれる。 心配そうに子供達を見守っている音羽に、翔や光希の母親が笑って声をかけた。 「恭くんのお母さん、大人がついているので大丈夫ですよ。安心して見守りましょう」 「翔くんのお母さん……」 「ほらほら、川遊びでお腹を空かして戻ってくるから、ご飯の支度をしましょう!」 ホットサンドメーカーを持ってきたから、軽い朝食を作っちゃいましょ!そう明るく笑って支度を始める光希の母親に、音羽も小さく頷く。 川で遊ぶ子供達が心配ではあるが、確かに皆の言う通り伏見も翔の父親もついてくれているのだ。 お腹を空かして戻ってくるだろう恭のために、音羽も朝食の支度をする事にした。 川で遊び始めてどれくらい経った頃だろうか。 十分に遊んだ恭達が伏見や翔の父親と手を繋ぎ、音羽達の所へ戻ってきた。 「お母さん!お腹が減りました!」 たたた、と駆け寄ってきてそのまま音羽に抱きつく恭。 音羽は柔らかい笑みを浮かべ、抱きとめると「じゃあ、準備を早めないとね」と笑顔で答えた。 ホットサンドメーカーで出来たてのホットサンドに美味しそうにかぶりつく子供達を見ていると、音羽はこれが幸せなんだな、と強く実感する。 楽しそうに翔や光希と話をしながら朝食を食べる恭は、いつまで見ていても飽きなかった。 ◇ 「坊っちゃまもはしゃぎ疲れてしまったようですね」 楽しかったキャンプ泊とバーベキューはあっという間に終わり、恭を抱き上げた飯野が後部座席に恭をそっと寝かせる。 「そうですね。……また恭ちゃんとこうして遊びに来たいです」 音羽が言葉を返すと、飯野は「是非そうしてあげてください」と柔らかく微笑んだ。 「恭く

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    ◇ 「──んっ、んうぅ〜っ!」 べしべし、と伏見の背中を強く叩いて抗議しても、がっちりと掴まれ固定された顔を動かす事が出来ない。 音羽は、自分の咥内を好き勝手に暴れ回り、蹂躙する伏見の舌から逃げられず、ずるずるとその場に崩れ落ちて行く。 だが、それでも伏見は唇を離してくれず、まるで覆い被さるように激しいキスを続けている。 さっき、伏見を恭と一緒に迎えに行き、テントに戻って。 そして、川遊びの準備が終わった恭は翔と光希の所に行く、と一足先に外に出て行った。 恐らく、波多野か近藤のテントに遊びに行ったのだろう。 恭を見送って、自分達も川遊びに向かう準備をしないとね、とそんな事を音羽は伏見に話しかけ、振り向いた。 その瞬間──。 伏見から激しいキスをお見舞いされ、今に至る。 恭がテントから出て行って、もう5分以上は経っている。 その間、ずっと伏見は音羽にキスをし続けている。 もうやめて、と背中を叩いても伏見はキスをやめてくれない。 それどころか、キスは時間を追う毎に激しく、甘やかになっていく。 「んっ、んんっ、んゃっ」 お腹の奥からぞくぞくとした甘く痺れるような感覚。 このままだと、流石に不味い──。 音羽は必死に伏見から逃れようと体を捻る。だが、自分に覆い被さる伏見からは簡単に逃れられなくて。 「──んっ!?」 ぐりっ、と伏見の腰が音羽の足の間に強く擦り付けられる。 その瞬間、伏見の熱をはっきりと感じてしまい、音羽の顔は真っ赤に染まった。 どうして、いつの間にこんなに──!? 音羽の頭の中がパニックになった瞬間、テントの外から声をかけられた。 「恭くんのお父さん、お母さん。準備出来ました?川に行きましょうか!」 翔の父親の声だ──。 このままだとテントを開けられてしまう。 音羽が焦った瞬間、それまで全く唇を離してくれる気配が無かったが、ようやく激しいキスから解放された。 音羽から少し離れた伏見は、なんて事ないように外にいる翔の父親に向かって答えた。 「分かりました、すぐに向かいます」 「はい、お待ちしていますね」 ざりっ、と足音が離れて行く音が聞こえる。 テントを開けられてしまう危険は脱した──。 音羽がほっとしていると、落ち着きを取り戻した伏見に抱き起こされた。 「……悪い、気が立ってめちゃくちゃ

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    「ねえねえ、お兄さん!お兄さん1人……ではないですよね?」 「友達とキャンプですか?」 「私たちも2人でキャンプしているんですけど、良かったら合流しません?」 伏見が一切言葉を返さないにも関わらず、女性2人はしつこく伏見の後を追い、話し続ける。 自分の腕に触れようと、女性の手が伸びてくると伏見はその腕をさっと躱し、歩く速度を上げる。 最早、女性2人は小走りで伏見に着いて来ているのだが、諦める気配がなく伏見は段々と苛立ちがこみあがってくる。 だが、そうして歩くこと数分。 伏見の視線の先にある姿が映り、無表情で冷たかった伏見の表情が柔らかく緩む。 最初に現れたのは、恭だ。 そして、その後に音羽。 2人はきゃっきゃと笑い合いながら伏見の方へ駆けて来る。 伏見が歩いて来ている事に気が付いたのだろう。 恭がぱぁっと表情を輝かせた。 「──お父さん!」 「恭」 恭が伏見を「お父さん」と呼び、伏見が柔らな優しい声で「恭」と名前を呼んだ。 それを、女性2人ははっきりと聞いた。 伏見にまとわりついていたから、至近距離で伏見が子供の名前を発したのをはっきりと聞いたのだ。 「──えっ」 「お父、さん……?」 女性2人が唖然とした声を出しているのが聞こえたが、伏見は構わず数歩歩くと駆け寄ってくる恭を受け止めるためにその場にしゃがみこみ、腕を広げた。 走ってくる恭は慣れた様子で伏見の腕の中に駆け込む。 「──やった!僕の勝ちですっ!お母さんの負け!」 「ああっ、恭ちゃん走るのが早いわ!お母さんの負けね」 伏見の腕の中で恭は誇らしげに笑う。 ──なるほど、競走をしていたのか。 そうすぐに判断した伏見は、恭を腕に抱いたまま立ち上がった。 そして後からやってくる音羽に対しても腕を広げて見せる。 音羽は伏見の腕の中に迷いなく飛び込むと、伏見は音羽の体をしっかりと抱きしめた。 「これじゃあせっかく風呂に入ったのに汗をかいたんじゃないか?」 伏見が恭と音羽の額を優しくタオルで拭ってやりつつ、声をかける。 「でも、これは僕とお母さんの勝負だったので仕方ないんです!」 「ふふっ、そうね。また後でシャワーを浴びましょう恭ちゃん」 「じゃあまた3人でお風呂に入りたいです!」 きゃっきゃ、と楽しそうに笑い合う家族3人──。 その姿を、伏見に

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    「よーし、じゃあ恭ちゃん。お母さんとどっちが早く着替えられるか競走しよっか?」 「お母さんと競走ですか!」 キラッ、と楽しそうに瞳を輝かせる恭。 そんな姿がとても可愛らしくて、音羽はくすくすと笑った。 「ええ、ちゃんと体を拭いて、どっちが先に外に早く出れるか競走しましょう?」 「分かりました!早く着替えて、お父さんに早く触った方が勝ちです!」 「ふふっ、そうね!お父さんに先に駆け寄った方が勝ちよ!」 よーい、どん!と言って2人は競走を始める。 濡れた体をタオルで綺麗に拭いて、服を着て、髪の毛を乾かす。 音羽は恭のスピードに合わせつつ、自分の支度をしていく。 「でっ、出来た!」 恭が一足先に着替え終わるのを見て、音羽もそれに合わせて着替えを終える。 「ああっ、恭ちゃん早いわ!」 「へええ!先に出ちゃいますよ、お母さん!」 「お母さんも恭ちゃんに負けないわ!」 2人ではしゃぎながら脱衣所の入口まで駆けて、扉を開けた。 ◇ 一方その頃、伏見。 伏見は風呂から少し歩いた場所にある喫煙所にやって来ていた。 火を付け、深く肺まで吸い込む。 そして煙を吐き出した。 一服していると、伏見のスマホがぶぶ、と震える。 恐らく報告のメールだろう。 伏見が音羽と恭の傍を安心して離れられるのも、常に2人には護衛を付けているからだ。 今回のメールも、付けている護衛からの連絡だろう。 そう思いながら届いたメールを開封した伏見は、書かれている内容に目を通した。 (まだ2人は出てこない、か……。だが、周辺に不審者の気配は無い。……流石にここまでは追って来ていない、か……?いや、だが油断は禁物だ) スマホの画面を消し、スマホをポケットにしまい直す。 風が吹いて伏見の濡れた髪の毛がサラサラと靡く。 (しまったな。もう少し髪の毛を乾かしてから吸いにくれば良かったか……) 恭が真似をしたら不味い。 音羽に怒られそうだな、と伏見が緩く口元を笑みの形に変えた。 次の瞬間──。 「あ、あのぅ……」 ざりっ、と砂利を踏む音と、女の声が聞こえた。 伏見はそれまで浮かべていた甘やかな笑みをすっと消し、冷たい表情で声が聞こえた方へ視線だけを向ける。 すると、そこには。 20代前半の女性2人組が頬を微かに赤く染め、伏見を上目遣いで見つめていた。

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    「わああー!広いお風呂です!」 嬉しそうに歓声を上げ、ぱたぱたと走る恭。 そんな恭に音羽は焦って声を上げた。 「恭ちゃん、走ると危ないわ!走ったりしたら駄目よ」 「はっ、はい……!すみませんっ」 慌てて近付いてくる音羽の声に反応し、恭はぴたりと足を止める。 そして音羽が隣にやって来るのを待ち、嬉しそうに音羽を見上げた。 「さあ恭ちゃん。手を繋いで歩こう?タイルが濡れてて滑って危ないからね」 「はい!お母さんが滑って怪我をしないように僕がしっかり守りますね!」 「──まあ」 まだまだ小さな子供だと言うのに、小さな胸をふんっと誇らしげに逸らし、音羽を守ると言う姿は小さな騎士のようだ。 そんな恭が可愛くて可愛くて、音羽は自分の体に巻いたバスタオルを押さえながらしゃがみ込んだ。 「ふふっ、ありがとう恭ちゃん。恭ちゃんは小さなナイト様ね」 「ナイト──!騎士ですか!?えへへっ、僕が、お母さんの騎士……」 嬉しそうに、恥ずかしそうに笑う恭が愛おしくて仕方ない。 音羽は恭を抱きしめようとしたが、後ろからやって来た伏見が揶揄うように声を発した。 「だが、恭は2番目の騎士だな。お母さんを守る1番の騎士は俺だから」 「──えっ、ずるいです!僕もお父さんと一緒に1番の騎士になります!」 ぷくっと不服そうに頬を膨らませる恭に、伏見は笑う。 そしてひょいっと恭を軽々抱き上げると、洗い場に向かって行く。 「ほら、騎士様がこんな風に簡単に持ち上げられたらお母さんを守れないだろ?」 「ずっ、ずるいですお父さん……!これは反則です!」 「ははっ!恭がお母さんを持ち上げられるようになったら一緒にお母さんの1番の騎士になろう」 お前はまだ俺に守られるくらいでいてくれ。 そう優しく笑う伏見に、恭は嬉しそうな、恥ずかしそうな表情を見せる。 そして「し、仕方ないですね……」ともにょりと口を動かした。 「じゃあ……まだお父さんの次でいいです……お母さんと一緒に僕の事も守ってください……」 「ああ、勿論だ」 ぎゅっ、と伏見に抱きつく恭を、伏見は笑顔で抱き返す。 嬉しそうにはにかむ恭と、笑う伏見。 どこからどう見ても「父親」と「息子」だ。 幸せそうな2人に、音羽は「お母さんも混ぜて!」と言いながら2人に近付いた。 ◇ 「さっぱりした」 「ふふ、

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    ◇ 翌朝。 朝早く起きた音羽は、隣でぐっすりと眠っている恭の寝顔を幸せそうに見つめた。 「ふふっ。天使の寝顔、ね」 ぷすぷす、と小さく寝息を零す恭のほっぺを音羽は軽くつついた。 ぐっすりと寝入っているらしく、音羽が恭のほっぺをつついても起きる気配は無い。 「──ん、音羽?」 「蓮夜?すみません、起こしてしまいましたか?」 音羽の潜めた笑い声に気が付いたのだろう。 伏見がゆっくりと目を開けた。 昨夜は恭を真ん中に挟むような形で眠った。 そのため、いつも伏見は音羽を抱きしめて眠っているのだが昨夜は音羽を抱きしめる事が出来なかった。 まだ、寝起きのぼんやりとした目で伏見が音羽を見つめる。 普段は隙のない伏見の寝起きのぼんやりとした雰囲気が音羽は好きだった。 まるで、自分だけが伏見のこういった姿を見られると言うような、贅沢感。 音羽は無意識に自分を探すように腕を上げる伏見にくすり、と笑う。 そして、伸ばされた伏見の手に自分の手を伸ばした。 「もうそろそろ起きましょうか、蓮──」 音羽が微笑みながらそう言うと、繋いだ手をぐいっと強い力で引っ張られた。 伏見の名前を全て言い切る前に引っ張られた音羽はバランスを崩し、前のめりに倒れる。 その時、くるん、と音羽の視界が回った。 「──!?……っ?」 「おはよう、音羽」 音羽がびっくりして目を見開いている間に、音羽の上に覆い被さった伏見がそのまま身をかがめ、音羽にキスをする。 寝起きと言うには濃厚過ぎるその口付けに、音羽の顔は一瞬で真っ赤に染まる。 声を漏らす隙間もなく、音羽の甘い吐息は全て伏見に食べられてしまう。 しっかりと伏見に抱きしめられ、音羽の跳ねる体も簡単に抑え込まれてしまっている。 隣に恭が居る事を伏見も分かっているからか、流石にキス以上の事はしないが、激しく深いキスに音羽のお腹の奥が疼く。 無意識に自分の腰が揺れ動き、伏見の腰に押し付けてしまう。 そんな音羽の可愛らしい動きに伏見は喉奥で低く笑うと、軽く腰を突き上げた。 「──っ!?」 びくっ、と音羽の体が快感に跳ねる。 だが、それ以上の事はせずにぱっと伏見の唇が離れた。 「──これ以上は駄目だな。……我慢が出来なくなる」 「──はっ、はぁ……っ」 伏見は濡れた唇を自分の舌で舐める。 その色香をふ

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