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2話

مؤلف: 籘裏美馬
last update تاريخ النشر: 2026-01-30 15:13:31

事が済み衣服を整えていると、樹の私用スマホが震えた。

樹が何の気なしにスマホの画面を確認する。

どこからか電話がかかってきたようで、樹はスマホを手に取り、電話を受けた。

「──もしもし?」

〈あっ、玉櫛 音羽さんの旦那さんですか?〉

「……ええ、音羽は私の妻ですが。そちらは……?」

〈私、──病院の者です。落ち着いて聞いてくださいね……。奥様ですが、その……暴行を受け、大怪我を……その際に全身の検査を行ったのですが──〉

電話を受けていた樹の顔色が、見る見るうちに変わる。

秘書の裕衣は、じっと樹を見つめていた。

裕衣の拳は、ぎりぎりと握りしめられ、震えている。

「分かりました。すぐに向かいます。妻は無事なんですね?」

〈はい。命に別状はございません〉

「良かった……数時間以内に到着するかと。ええ……はい、妻をよろしくお願いします」

樹は、そう言って電話を切ると、急いでシャツを羽織り、汚れたスラックスを履き替えた。

「樹……?奥さん……音羽さんに何かあったの……?」

裕衣は、心配そうに眉を下げて樹に話しかける。

樹はちらり、と裕衣に視線を向けたがすぐに逸らすと「ああ」とだけ頷いた。

「すぐに音羽の元に向かう。今日は戻らないから、仕事が一段落したら帰ってくれて構わない」

「い、家にも帰らないの!?」

「ああ。音羽は個室に入れるように手配した。今日は音羽に付き添うから帰らない」

「わ、私も音羽さんが心配だから一緒に行くわ……」

「いや、駄目だ。音羽は俺がお前を抱いているのを知っているんだ。……下手に刺激したくない」

そっけなく樹に告げられ、裕衣は取り付く島もない。

裕衣が樹に触れようと伸ばした腕は、足早に去る樹には届かず、樹は1度も裕衣を振り返る事なく社長室を後にしてしまった。

先程まで激しくお互いを求め合っていたのが嘘のように、あっさりと捨て置かれた裕衣は、悔しさに唇を噛み締めた。

情事の気配が色濃く残る社長室の中。

裕衣がのそのそと仕事に取り掛かり始めた頃。

会社のヘリポートに、ヘリがやって来た。

「──っ、まさか樹……音羽如きのためにヘリを手配したの……!?」

信じられない──。

裕衣は、悔しさに奥歯を噛み締める。

結局、樹にどれだけ抱かれても。

その行為が激しくても。

樹の妻の座には座れないのだ。

樹の妻の座は、犯罪者である音羽がずっと離さない。

「あの女を早く樹から離さなくちゃ……!」

裕衣は、必死に頭を働かせた。

◇◆◇

地方にある大きな病院のヘリポートに、樹が乗ったヘリが着陸した。

ヘリポートには、病院の院長を始め、外科部長や複数の医師がずらりと並び、樹を出迎えていた。

「──音羽……、私の妻は?」

樹が院長らしき男に話しかけると、院長は「ご案内いたします」と告げ、樹を音羽の入院している病室に案内するために歩き出した。

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