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もう誰も助けてくれない

Penulis: 影畑凛星
last update Tanggal publikasi: 2026-08-02 10:44:12

 結局、その日も恵は仕事を探せなかった。

 求人アプリを開いては閉じる。

 面接の予約画面まで進んでは、指が止まる。

「……無理」

 知らない人と話すのも嫌だ。

 毎日決まった時間に働くのも面倒だ。

 そう思うたびに、アプリを閉じてしまう。

 気づけば昼を過ぎていた。

 空腹を覚え、駅前のコンビニへ向かう。

 パンとお茶を買い、財布を開く。

「……」

 残りは二千円を切っていた。

 昨日までは、まだ余裕があると思っていた。

 けれど、お金は何もしなくても減っていく。

 その現実が、少しずつ恵を追い詰めていた。

「どうしよう……」

 ベンチへ座り、小さく呟く。

 そのときだった。

 スマートフォンが震える。

 知らない番号。

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    『明日の朝には、皆さんのお手元に届くと思いますよ』 佳苗はメッセージを読み返した。「……これ、どういう意味だと思う?」 信号待ちで車を停めた雄吾が、画面に目を向けた。「職場に写真を送るつもりだろうな」「でも、悟はまだ渡してないって言ってたのに」「そのあと渡した可能性はある」 佳苗は唇を噛んだ。 悟のことだから、十万円を目の前にちらつかされれば、簡単に気が変わってもおかしくない。「明日、会社に行くのが嫌になってきちゃった」「休んでもいいんだぞ」「ううん。仕事はちゃんとしたい」「そうか」 雄吾はそれ以上勧めなかった。「ただ、メッセージは残しておけ。何か届いたら、高瀬課長にも見せたほうがいい」「うん。そうする」 翌朝。 佳苗が出勤すると、いつもより早く来ていた佐藤が、パソコンの画面を見ながら首を傾げていた。「おはようございます」「あ、おはよう、榊原さん」 佐藤は挨拶を返したあと、少し迷うような顔をした。「ねえ、これって何なんだろう」「どうしました?」「変なメールが来てるんだよね。差出人も知らない人だし」 佳苗の胸がざわついた。「……どんなメールですか?」「榊原さんの名前が書いてあるの」 佐藤が画面を指さした。 件名は『榊原佳苗さんについてのお知らせ』。 本文には、佳苗が以前結婚していたこと、元夫と揉めて離婚したことなどが書かれていた。 そして、写真が数枚添付されている。「これ、開かないほうがいいよね?」「……はい。たぶん」 佳苗は画面から目を離せなかった。 添付ファイルの名前には、見覚えのある日付が並んでいた。 悟との結婚式の日付だっ

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