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最後の頼み

Author: 影畑凛星
last update Petsa ng paglalathala: 2026-08-09 11:30:11

 静かな部屋。

 悟はスマートフォンを見つめたまま動けずにいた。

 画面には、一つの名前。

佳苗

「……」

 もう終わった相手だ。

 自分から裏切り、傷つけ、捨てた相手。

 今さら連絡する資格などない。

 頭では分かっている。

 それでも――。

(佳苗なら……)

 困っていると言えば、放っておけない。

 そんな都合のいい考えが、頭をよぎる。

「……違う」

 悟は首を振った。

 そんなことを考える資格は、自分にはない。

 そう思いながらも、指は勝手に画面へ触れていた。

 発信ボタンを押す。

 呼び出し音が鳴る。

 一回。

 二回。

 三回――。

『…

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