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離婚への準備

Author: 影畑凛星
last update publish date: 2026-05-18 23:29:24

「失礼いたします」

 午後。

 インターホンのあと、リビングへ入ってきたのはスーツ姿の女性だった。

 三十代半ばくらいだろうか。

 眼鏡をかけた知的な雰囲気の女性だ。

「初めまして。榊原様の顧問弁護士をしております、三浦と申します」

 佳苗は慌てて立ち上がった。

「は、初めまして……!」

「そんなに緊張しなくていい」

 隣で雄吾が低く言う。

「三浦は信頼できる」

「榊原様、それ、褒め言葉として受け取っていいんですよね?」

 三浦が苦笑する。

 少し空気が和らいだ。

「今日は離婚に向けた今後の流れをご説明します」

 三浦はタブレットを開いた。

「まず、現在の状況ですが――別居は成立しています」

 佳苗は小さく息を呑む。

 別居。

 その言葉だけで現実感が増した。

「今後は、不倫の証拠整理と財産関係の確認を進めます」

「……証拠」

「はい。すでにある程度はこちらでも調査しています」

 その瞬間。

 佳苗は思わず雄吾を見た。

「……先輩」

「最低限だ」

 雄吾は淡々と言う。

「お前が不利にならないようにしてるだけだ」

 最低限。

 これが最低限なのか。

 佳苗は少し遠い目になった。

 三浦
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