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第128話

Author: みそ煮
last update publish date: 2026-04-30 11:39:03

その日、香織は食欲が無くて夕食の席へは現れなかった。有真や忠嗣が何度か様子を見に部屋までやって来たが、香織はそれでも外へは出なかった。

泣いているところを二人には見られたくなかったのだ。余計な心配をかけたくもなかったし。そのまま一歩も部屋の外に出ないまま、夜の十時になった。

香織は相変わらずベッドに突っ伏したままだった。お腹が空いていたが、真っ赤になった目のまま下へはおりたくなかった。

(そろそろお風呂に入らないと……できるだけ見つからないように下へおりて……)

入浴の準備をしようとしたそのとき、部屋の扉がノックされた。

「――香織さん、有真です。一度だけ扉を開けてくれませんか?」

「……有真さん?」

有真が香織の部屋にやって来た。有真が直接部屋へ来るのはもう四度目だった。彼女はいつもと様子の違う香織を心配し、彼女の元へ何度も足を運んでいた。追い返しても何度も何度も。

香織は返事をしなかったが、有真は諦めなかった。

「香織さん、お願いです。香織さんに渡したいものもあるんです」

「……」

結局、折れたのは香織のほうだった。彼女は軽く身だしなみを整え、これまでずっと固く閉ざされていた部屋
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