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第432話

Author: かおる
清子はその言葉に、頬をわずかに染めた。

「まさか雅臣が、本当にスターを呼んでくれるなんて思わなかったわ」

「これでもう、余計な心配はいらないだろ?」

そこで勇は口を止め、幸災楽禍の笑みを浮かべた。

「見ただろ、あの星がどんなに惨めな姿になってたか。

雅臣は彼女を神谷グループに入れることさえ許さない。

それに比べてお前は、通達も要らずにそのまま通される。

この違いだよ」

エレベーターはほどなく止まり、二人は雅臣の執務室へと足を踏み入れた。

勇はことあるごとに、星を踏みつけにするのを忘れない。

「雅臣、さっき下で星に会ったんだ。

岬の話じゃ、お前は星を絶対に社内に入れるなって言い渡してるそうじゃないか。

もし通したら、即刻解雇だって。

でも星は聞かずに押しかけてきて、岬も手を焼いて結局警備員を呼ぶしかなく、そこに俺たちがちょうどその場に居合わせたんだ。

清子は心優しいから、星のために何言か取りなしてやったのに、星はまるで感謝もしないどころか、俺たちを皮肉ったんだぜ」

その言葉に、雅臣はわずかに眉をひそめた。

「......星が来ていたのか?」

「そうだ。

岬の話じゃ、この前、受付が星を通したせいで、お前は受付と警備をクビにしかけたらしいな。

だから彼女も一刻だって星を置いておけなかったんだ」

勇の言葉が終わらぬうちに、雅臣は誠を呼び入れていた。

「誠、下へ行って星を連れてこい」

勇と清子は呆気にとられ、顔を見合わせた。

十分ほどして、執務室の扉がノックされる。

誠は気まずそうな顔で入ってきた。

「神谷さん、星野さんは......もう帰られました」

三十分後。

岬は顔を引きつらせたまま、星の前に姿を現した。

「星野さん......社長がお呼びです。

ご一緒にお戻りください」

やはり、星は嘘をついていなかったのだ。

彼女は本当に神谷雅臣と約束をしていた。

星はスマホでニュースを眺めながら、顔も上げずに言った。

「雅臣に伝えて。

私は忙しいの。

時間がないから行けないわ」

実際には、彼女はカフェで悠々と腰を下ろし、忙しさのかけらもなかった。

岬には、星がわざと自分を困らせているのが分かった。

唇をかみしめ、声を落として言う。

「星野さん......先ほどの件は私が悪かったです。

どうか広いお心で、
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