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9.真実を告げる時

Penulis: 専業プウタ
last update Tanggal publikasi: 2025-07-25 20:08:34

 身を捩っても抜け出せないくらいの強い力でロバートが抱きしめてくる。

「ロバート国王陛下、おやめください。今の私は婚約者がいる身です」

 自分の発言に、なぜランスロット様が私なんかを婚約者にしたのか気がついてしまった。

 彼は私を愛しているから婚約者にしたのではなく、私の事情を知り同情しロバートから守る為に婚約者にしたのだ。

 彼の優しさに気がつき明らかに彼に惹かれ始め、一緒になれると心が浮ついていた。

 心が急速に沈んでいく。

 よく考えれば、私なんかをランスロット様のような方が愛してくれる訳がない。

 

「ランスロット・アイリーと結婚⋯⋯仮に本当に彼と結婚したとして、君にアイリー公爵夫人が務まるのか? オリタリア帝国の貴族令嬢やご夫人方を纏めあげ監督しなければない立場だぞ」

「私はオリタリア帝国でお役に立てるように頑張ります⋯⋯だから、陛下は私を放っておいてください」

 手で思いっきり彼の胸を押し返そうとしても、ビクともしない。

「また、寝ながら泣

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     湖畔に佇むガラス張りの皇宮のチャペル。 湖に太陽の光が反射してバージンロードの先にいるランスロット様を照らしていた。あまりの美しい光景にここが天国なのではないかと錯覚しそうになる。 レベッカ様がバージンロードを私と腕を組んで一緒に歩いてくれる。 パイプオルガンの重厚な音と共に一歩一歩ランスロット様に近づいて行く。大好きな人と愛する人の元へたどり着いた瞬間を私は一生忘れないだろう。 神官の低い落ち着いた声がしても、私は心臓の鼓動が早くなるのを抑えられなかった。「ランスロット、アイリー。そなたは、カリナ・ブロワを妻とし、病める時も、健やかな時も、貧しい時も、豊かな時も、喜びあっても、悲しみあっても、死が2人を分つまで愛を誓い、妻を想い添うことを、神聖なる婚姻の契約の元に、誓いますか?」 「はい、誓います」 ランスロット様が穏やかな声で、偽りでも私との永遠の愛を誓ってくれる。 私を見つめる琥珀色の瞳が優しい光を放っている。「カリナ・ブロワ、そなたは、ランスロット・アイリーを夫とし、病める時も、健やかな時も、貧しい時も、豊かな時も、喜びあっても、悲しみあっても、死が2人を分つまで愛を誓い、夫を想い添うことを、神聖なる婚姻の契約の元に、誓いますか?」「はい、誓います」 幸せな気持ちで胸がいっぱいになりながら、私は嘘偽りのない彼に捧げる永遠の愛を誓った。 彼の迷惑になるこの気持ちを消せる自信がない。 私を守ってくれる優しい人。私と一緒にいてくれるのは彼のノブレス・オブリージュだろう。 少し寂しい気持ちを覚えながらも、私は幸せを噛み締めていた。 淡いターコイズブルーのベルベットにキラリと光る結婚指輪が2つのせられていた。グローブを外し彼が私の左手の薬指に指輪を嵌めてくれる。私は緊張しながら、彼の左手の薬指に指輪を嵌めた。 彼と夫婦になれた喜びで涙が溢れそうになるのを必死に堪える。 結婚の誓約書に震える手でサインをした。愛する彼の名前に自分の名前が並んでいる。 自分に好きな人ができて、その人

  • 契約夫無双〜冷血公爵様は妻の願いを全て叶えます〜   19.どこまでも甘い

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  • 契約夫無双〜冷血公爵様は妻の願いを全て叶えます〜   16.悪意だらけの世界で(レベッカ視点)

     ヘンゼル・オリタリアと私レベッカ・アイリーは10年も婚約をしていた。 そして、今日私たちは結ばれる。 オリタリア帝国中が沸き立っていた。 国婚は国を挙げたお祭りだ。 花嫁の控え室にヘンゼルが入って来る。皆が気を遣って私たちを2人きりしようと部屋を出て行った。「レベッカ、女神のように綺麗だ」「ありがとうございます。殿下」 鏡を見て自分が全く幸せそうな顔をしていないのに気がついた。 慌てて口角をあげ花嫁の顔を作る。 扉をノックする音がして振り向くと、意外な来客が立っていた。 私が殺してやりたい相手、ロバート・スペンサーだ。冷や汗を掻き動揺を隠しきれない顔をしている。「このようなプライベートな場所に、不躾に入り申し訳ございません。国に急ぎ戻らなければならなくなりました。せめて、ヘンゼル皇太子殿下にご結婚のお祝いをと思いお探ししておりました」「事情は分かっています。国の有事ですから当然の判断です。慌てずお気をつけてお帰りください」 ヘンゼルが無表情で淡々と対応する。 軽くお辞儀をして、ロバート国王は足早に去って行った。「スペンサー王国で何があったのですか?」「クーデターが起きた事になってるが、実際は何もない。でも、留守を預けられる信用できる臣下がいないのだろう」 ヘンゼルが楽しそうに笑いながら説明してくれた。「もしかして、お兄様が?」 私の質問にヘンゼルは深く頷いた。彼は皇太子だからカリナの事情も当然知ってるのだろう。恐らく多くの協力者を使って兄はフェイクニュースを流した。「公爵にも愛する人ができたのだな」 ヘンゼルが微笑ましそうに呟いた。「えっ? お兄様はカリナを愛しているのですか?」「かなりのリスクを負って結婚までするのだぞ。当たり前じゃないか」 私は兄ランスロットが女性に恋をしたり、愛を語るのが全く想像できなかった。 ♢♢♢ 長い1日はまだ続き、夜には夫となったヘンゼルを寝室で待つ。 私は赤ワインを浴びるように

  • 契約夫無双〜冷血公爵様は妻の願いを全て叶えます〜   15.彼女を守るために(ランスロット視点)

     皇宮に到着して会談の議場に向かう途中の廊下で、カリナに迫るロバート国王を発見した。人の執念とは恐ろしいもののようだ。(もう、見つけられた!?)「ヘンゼル皇太子の結婚式が終わったら、共にスペンサー王国に帰ろう。そなたの部屋も用意してある」  当たり前のようにカリナを自分の所有物のように語るロバート国王に吐き気がした。 カリナはただ真っ青になり小刻みに震えている。 彼女に起こった悲劇を考えれば当然だ。  私は国際会談でカリナとの結婚式を挙げることを発表した。 皇宮の執務室にいる私をレベッカが尋ねてきた。 カリナは彼女に自分の正体を明かしたのだろう。「お兄様! カリナがロバート・スペンサーに部屋で襲われかけていたのですよ。しかも、悪びれもせずに去っていきました。あの男は何なのですか?」「襲われかけていた?」 部屋の場所がバレていたとしたら、私がつけられていたという事だ。慌てていたとはいえ、迂闊だった。 倒れたばかりのカリナを1人にしてしまったのは私の致命的ミスだ。  それにしても、そこまでロバート国王がなりふり構っていないのなら、こちらも強行手段に出たほうが良いだろう。(もう、彼には国にお帰り頂くか⋯⋯)「それに、どうしてアルベルトにカリナの護衛をさせるのですか? お兄様はアルベルトの気持ちをご存知ですよね」「私はアルベルトを信用している」 アルベルトは人の気持ちの分かる人間だ。 だからこそ、彼は周囲に優しくできて人に好かれる。 今、初めての恋で自分を見失っている部分もあるが、愛する人を傷つけたりはしない。「はぁ⋯⋯確かにロバート・スペンサーのようにカリナを無理に自分のものにしようとはしないと思います。お兄様もアルベルトのようにカリナを愛しているのですか?」「そう見えるか?」 カリナを自分がどう思っているかは、あまり考えた事がなかった。 彼女はレベッカが守って欲しいとお願いしてきた子で、アルベルトが大切にしている子だ。 当然、

  • 契約夫無双〜冷血公爵様は妻の願いを全て叶えます〜   14.守りたい(ランスロット視点)

     ランスロット・アイリーは、父が母レイリアを失ってから毎日のように彼女にもっと尽くしてあげたかったと嘆いたことを知っていた。 そのような父を見て、自分は妻を娶ったら後悔のないようにしようと誓った。 妻の望みを全て叶える夫になる。 それが父を反面教師にして学んだ彼の出した答えだった。  幼い頃から神童のように扱われてきた彼は何でもできてしまって後悔した事がなかった。 多くの事を先読みし行動でき、周囲は彼を称賛してきた。 彼の父は周囲から見て理想の公爵だったが、家の中では酷い体たらくだった。 彼が6歳

  • 契約夫無双〜冷血公爵様は妻の願いを全て叶えます〜   12.本当は優しい人

     アイリー公爵邸に向かう馬車の中でアルベルト様と2人きりになる。  アルベルト様は向かいではなく、私の隣に座って来た。  気まずい空気が流れるが当然だ。 私はずっと心から私を心配してくれている彼を騙していた。「アルベルト様、申し訳ございませんでした。私は嘘をついていました⋯⋯」 「カリナ⋯⋯嘘というのは人を騙す為に吐くものだ⋯⋯君は俺たちを巻き込みたくなくて偽名を使っていたんだよね。それは嘘じゃない⋯⋯」 アルベルト様が真っ直ぐに私の目を見ながら話してくる。 「私を軽蔑しますよね」 「軽蔑?

  • 契約夫無双〜冷血公爵様は妻の願いを全て叶えます〜   11.暴走する弟の偏愛(レベッカ視点)

     退屈な時間を終えて、セーラの部屋に向かおうとした時に悲鳴が聞こえた。「いやー、やめてー」 セーラは静かな子で、大声をあげない。 そのような子が必死に助けを求めている。 彼女の声は澄んでいて天使のようで特徴がある。 私が聞き間違える訳がない。  私は護身用の短剣を握りしめ、部屋の扉を勢いよく開けた。 ロバート・スペンサー国王がベッドにセーラを押し倒していた。 彼は私の中で良識ある人間だったが、それは覆された。(この野蛮人が!) 彼を追い出しセーラに向

  • 契約夫無双〜冷血公爵様は妻の願いを全て叶えます〜   6.エミリアーナ様と私

     カリナは夢の中にいた。 幸せだった時の記憶を夢の中で手繰り寄せるのが彼女の蘇生術だった。 目の前には下女に過ぎなかった自分を侍女に取り立ててくれた、エミリアーナが微笑みながら自分を見ている。 『カリナ、本物を見極める力をつけるのよ』 エミリアーナが目の前に沢山の金色の宝石を並べる。 『さあ、この中でイエローダイヤモンドはどれでしょう』 『えっと、こちらの石でしょうか?』 とても透明感があり、高級そうに見えた右から2番目の宝石を指差す。 『それは宝石の中で最も歴史が深いと言われる琥珀よ

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