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誰が契約結婚だって?ハイスぺCEOは私しか見ていない
誰が契約結婚だって?ハイスぺCEOは私しか見ていない
Auteur: 中道 舞夜

1.プロポーズは突然に

last update Date de publication: 2025-04-28 08:26:24

「ねえ啓介?私たち、結婚しよう」

週末の日曜日、予約が取れない人気のフレンチレストランで食事をしながら彼氏の啓介にプロポーズをした。

「え、佳奈?どうしたの?急に?」

啓介はティラミスを食べる手を止めて、驚いた顔をして私を見ている。

「啓介が結婚に前向きじゃないのも知っている。だから私たち最高の夫婦になると思うの。」

ーーーーーーーーーー

時を遡ること、3分前。

「啓介。私のこと、好き?」

「ん?どうしたの急に。」

女性の扱いに慣れている啓介は私の手に自分の手を重ねてきた。

「好きか嫌いかで言ったら好き?」

「え、もちろん。佳奈のことが好きだよ。だから付き合っているんじゃないか。」

「良かった。私も啓介が好き。だから、私たち結婚しよう」

私は宣言するように声を張って言った。

「え、今、なんて?」

聞こえていないはずはないのだが、啓介は聞き返す。

「だから、結婚。啓介、結婚しよう。」

「え、佳奈?どうしたの?急に?」

啓介は目を丸くして驚いている。先程までの優しい微笑みは姿を消し、困惑してどのような返答をしようか考えているようだった。

「佳奈、なんでそうなったか聞かせてもらえないかな。この前、同僚が結婚したと話をした時に君は結婚の意味が分からないって否定的なことを言ってたよね。それが今日は急に結婚しようだなんて。言っていることが矛盾していると思うんだ。」

啓介は手を額に当てて厄介なことになったと言う顔でこちらを見ている。

彼は結婚願望がない。『結婚できない男』ではなく『結婚したくない男』だった。しかし、そんなことは気にせずに私は続けた。

「結婚の意味が分からないのは今でもそうだよ。啓介が結婚に前向きじゃないのも知っている。だから私たち最高の夫婦になると思うの。」

「……ごめん、意味が分からない」

「啓介はなんで結婚したくないんだっけ?」

「それは……別に一人の生活に不自由もないし困っていないからだよ。一人でも生活できるスキルはあるし好きなことも出来る。」

周りから結婚して金銭面や時間の面で自由がなくなったと聞いていて、今の生活を楽しみたい啓介は否定的らしい。

「そう、私もなの!仕事が好きでこれからもっと上に行きたい。遊びやプライベートも充実させたいけど一番したいことは出世。出世してお金を稼いで自分の好きなこともして自由を手に入れたいの。」

「それなら今の関係のままで良くない?」

「ううん、良くない。啓介は、一人息子だからご両親から結婚はまだかとかお見合いや彼女の有無を聞かれるのにうんざりしているでしょ?」

「私は、今の会社は結婚していないと性格に問題があるんじゃないか?って疑われる。うちの会社には男性でも独身の役員はいない。役職クラスの昇進試験でも独身だと分かると性格とか内面の人間性を確認しているの。それって偏見じゃない?」

「それはそうだけど……。だから結婚って無茶苦茶すぎないか?」

「普通ならね。制限されることの方が多いし自由を求めるなら独身の方がいい。だから私たちは結婚しても今まで通りの自由な生活を送ろう」

「それってつまり、偽装結婚……ってこと?」

「いいえ、私は啓介のことが好きだし啓介も好きだと言ってくれた。だから愛のある結婚よ。私たちはお互いの自由を守るために結婚するの。」

「ごめん、理解が追いつかない。」

「いい?結婚することで啓介は親からの催促から逃れ、私は社会で不利益な扱いを受けないで済むってわけ!」

「つまりお互いに利害関係にあるといいたいのか?」

「その通り。好きな相手と恋愛感情以外でも求めているものが一致するなんて、私たち最高にいいパートナーだと思うの。こんな人もう出逢えないんじゃないかって思うくらいあなたに惹かれている」

「佳奈が言うことは確かに一理あるけれど、そんなに上手くいくかな?」

「私はうまくいくと思っているわ。こんなに相性がいい人、他にはいないと思うもの。だから安心して進めばいい」

「安心して……?何を根拠に?」

こうして私の猛烈なプロポーズから、私たちの結婚生活は幕を開けた。

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