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第 78 話

last update publish date: 2026-08-22 13:00:13
彼は一人だった。

従者を少し後ろに下がらせている。

クラリスは礼をした。

「王太子殿下」

ジュリアスは、少しだけ足を止めた。

いつものように何か命じる顔ではなかった。

かといって、素直に謝る顔でもない。

複雑なものを抱えた顔だった。

「……今日は、私の原稿を見た」

唐突だった。

クラリスは、すぐに意味を理解する。

レオンハルトたちとの再教育だ。

「そうでございましたか」

「君が直したものだ」

「多くは、書記官室と相談のうえでございます」

「だが、君が直した」

ジュリアスの声には、怒りが少し残っていた。

けれど、それだけではなかった。

「
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