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温室の隅で…

last update Date de publication: 2025-08-05 08:28:31

食事はとても楽しく進んだ。食後、場所を移して兄と俺とヴァロア家当主の三人で話す。ジルは王妃殿下とお話をしている。王妃教育の度に王宮に来ていたジルは王妃殿下とも顔馴染みだ。

「では一週間後で良いな?」

兄が言う。

「承知致しました」

ヴァロア家当主が満足そうに言う。

「一週間もあれば滞りなく支度出来るでしょう」

俺が言うと兄は笑って言う。

「それはそうだろう、天下のヴァロア家と王族なんだからな」

◇◇◇

兄は他にも政務があって退室した。俺はヴァロア家当主と二人になる。

「ヴァロア殿」

言うとヴァロア家当主が言う。

「ロバートとお呼びください、王弟殿下」

俺は思っていた事を聞く。

「ジルが持参したドレスが少々少ないようだが?」

ロバートは苦笑いをする。

「あれもこれも持たせようとしたのですが、ジルが厳選したのです。自分の持って行くドレスでクローゼットを埋めたくないと言ってきかなくて」

そうか、なるほどと思う。

「あの子は自分の気持ちを正直に言うのが少し苦手です。何でも相手に合わせてしまう所があります。長く王妃教育を受けて、王太子殿下との婚約も相まって自分の気持ちを抑えることに慣れてしまっ
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