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第1077話

Penulis: 浮島
だが蒼空の表情は冷静なままで、微塵も揺らがない。

遥樹は信じられない思いで彼女の顔を食い入るように見つめ、何か変化はないかと探る。だがその表情にも、わずかな動揺すら見つけられなかった。

――信じられない。

自分の体は、蒼空にとって魅力がないのか?

本当に、少しも惹きつける力がないのか?

その疑念に、胸の奥がかすかに酸っぱく痛む。

もし蒼空が本当に自分を愛しているなら、彼の体にまったく心を動かされないなんてことがあるだろうか。

遥樹の脳裏に、瑛司の言葉がよみがえる。

そして、彼の口から語られた、存在するのかどうかも分からないダイヤの指輪の話。

胸の奥がずしりと重く痛んだ。

蒼空はその微妙な変化を鋭く察し、言う。

「傷ついた?」

遥樹は目を上げ、低く答える。

「いや」

その様子を見ただけで、蒼空には彼に何かあると分かった。

「何を考えてるの?」

遥樹は一瞬言葉に詰まり、やがて首を振る。

「何でもない」

――言いたくない。聞きたくもない。

自分の望まない答えを聞くのが怖い。

もし口にしてしまえば、彼と蒼空の関係が以前のようには戻れなくなるかもしれない。
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