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Xデー、ギロチンは落ちる

last update publish date: 2026-07-25 10:16:31

 午後七時五十九分。

 数百のカメラのレンズと眩いフラッシュの光を全身に浴びながら、絵里香は純金製の万年筆を走らせた。

 分厚い契約書の最終ページ。そこへ『株式会社エリカ・パートナーズ 代表取締役 桐島絵里香』と力強く署名し、自らの全存在を懸けた実印を押す。

 朱肉の鮮やかな赤が紙面にしっかりと刻み込まれた。

「——ここに本契約は無事に締結されました!」

 司会者の高らかな声と共に、会場を揺るがすような拍手と歓声が沸き起こる。

(勝った……! 私が一条を出し抜いて、業界のトップに立ったのよ!)

 絵里香は立ち上がり、満面の笑みで両手を高く掲げた。脳内は完全に、自分が世界の女王として君臨したという極上の全能感で満たされていた。

 自分の会社が有害物質の埋まる土地を抱え込み、一円の価値もない泥船へと変わったことなど、彼女の視界には入っていない。

 一方、歓喜に沸くステージの端——絵里香の一歩斜め後ろに立つ宝生樹は、誰にも気づかれないよう手元のスマートフォンの画面に視線を落としていた。

 時刻は午後八時ちょうど。

 黒川商会から引き出した百億円の資金を、自らのスイスの隠し口座へ全額送金する
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  • 娘より間男を選んだ妻へ、無職の俺が一条財閥の後継者だと知っても、もう遅い   一般人ごっこの終焉 〜すれ違う思いと裏切りのステージ〜

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