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166話

مؤلف: 籘裏美馬
last update آخر تحديث: 2025-12-28 07:28:21

「──ひぇっ」

私は、口をついて出そうになった悲鳴を、すんでのところで飲み込む。

慌てて口を噤み、そろり、と涼真さんを窺う。

けど、涼真さんはすうすうと気持ちよさそうに寝ていて、私はほっと安心して胸を撫で下ろした。

でも、私はちっとも安心できるような状況じゃない──。

車に乗るから、と厚手のコートは脱いでしまっていて。

私の服装は薄手の長袖のワンピースだけ。

涼真さんの服装も、スーツを脱いでワイシャツ1枚だけ。

だから、お互いの体温も感じてしまえる距離。

私はさっきまで感じていた眠気なんて既にどっかに行ってしまっていた。

下手に動いたら、涼真さんの睡眠の邪魔になってしまいそうで、私はその場で硬直する事しかできない。

「わ、私は石……石よ……」

そう、自分に言い聞かせる。

涼真さんから香る爽やかだけど、どこか色気の含まれた香水の香りも。

逞しい「異性」を感じさせる体も。

私は、何も感じない。

そう、感じないように気をつけないと──。

と、私は自分に言い聞かせる。

言い聞かせようとしている事が、本当はもう手遅れだ、と昔聞いた事があるような事があるけど……まだ大丈夫だと考える。

今なら、まだ引き返せる。

涼真さんとは、本当に結婚する訳じゃないんだから──。

あれから、どれだけ時間が経っただろう。

体感的には数十分、1時間は経っていないだろうけど、仮眠には十分な時間が経ったと思う。

そろそろ、涼真さんを起こした方がいいかもしれない。

少し寝ただけでも頭はスッキリするし、家に帰ってベッドでしっかり眠って欲しい。

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