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第一章:契約結婚の予行練習

Author: Kaya
last update Huling Na-update: 2025-09-13 18:19:00

あの時の私はロジータ・スカルラッティとして、断罪、処刑までの筋書きを真っしぐらにたどっていた。

本来ならこの煌びやかな空間で、エルミニオと一緒にダンスを踊っているのは私だったはずなのに!と。

それなのにエルミニオが、今夜のダンスの相手に私ではなくあの女を選んだ!

とにかく彼女が憎かった。

彼に優しくエスコートされてきたリーアは下の会場にいる私と、真っ先に目が合った。

「しかし殿下のお相手は、私ではなくロジータ様では……?」

美しい銀糸のような長い髪と宝石のようなサファイアブルーの瞳の彼女。

エルミニオの隣でまるで小動物のように小さく震えている。

彼女が着ていたのはヴィスコンティ王家を象徴する、星のラメが入った群青色のドレス。

なぜかエルミニオと同じドレスコードだ。

彼も群青色の洗練された礼服を着ていた。

加えて、リーアの頭上にはたくさんの真珠が散りばめられたティアラ。

童話のシンデレラのように輝くクリスタル製の靴。

どれもこれも私が欲しかったものばかり。

なんで……

なんで殿下の隣にいるのが私ではなくて、あの女なの!?

招待された貴族たちと同じ場所にいる私を、リーアは気の毒そうに見おろしていた。

「その、ロジータ様。私、悪気は……」

「何で……何であなたが、エルミニオ様の隣にいるのよ!!何で……っ!!」

本来なら、このような公式の場では婚約者同士で同じ色やお揃いのデザインの服で揃えるものだ。

特に王太子とその婚約者ともなれば、他とは一線を引いた特別感を出す必要がある。

だけど私は彼のドレスコードが分からず、会場から一人だけ浮いたような真紅のドレスを着ていた。

虚しく悔しい。分かっていた。ずっと。

「何を喚いているんだ、ロジータ・スカルラッティ!なぜお前が会場にいる!?

呼んでもいないのに!」

リーアに向けられるものとは全く違う、エルミニオの冷淡な声が

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