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107.アオイの正体、サラリオの機転

last update Last Updated: 2025-08-08 17:22:32

「お姉ちゃまはね……みんなのものだよ!僕、お姉ちゃまのことが大好きなの」

レオンの無邪気な言葉にリオも元気いっぱいに続く。

「僕もー!」

リオンとレオの言葉に、リリアーナ王女は目を丸くしていた。彼女は、「みんなのもの」という言葉に引っかかったようだ。

「みんなのもの?」

「そう。僕が転んで怪我した時に治してくれたの。他の人もね、痛いところや熱出したりするとお姉ちゃまが助けてくれるんだよ」

レオンは、屈託のない笑顔で葵の存在を語った。リリアーナ王女は、その言葉に驚きを隠せない。

「すごい方なのね……」

笑顔で二人と会話を続けているが、その表情にはかすかな落胆が垣間見えた。しかし、サラリオはリオンの言葉を聞いて、妙案が浮かんだ。

「リリアーナ王女、お恥ずかしながら、我が国は医療を課題の一つとして、改善に取り組んでおります。先ほど二人の話に出た人物は、その対応のために意見を伺うべく来てもらっている博識者です。しかしながら、我が国以外にも彼女に力を貸して欲しいという国があり、先日、無理矢理自国に連れて帰ろうとする悪い輩に絡まれ、危険な目に遭いました。そのため、国のために尽力してくれている彼女の身の安全を守るため、今は王宮外の者とは会わない

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