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愛は雪降る頃に終わりを告げる
愛は雪降る頃に終わりを告げる
Auteur: のぞみん

第1章

Auteur: のぞみん
初雪が降ったあの日、婚姻届を提出しようとしたが、私・村上佳穂(むらかみ かほ)は婚約指輪をなくした上、十年も付き合っていた彼氏にすっぽかされた。

区役所の入り口で一人ぼっちで立っていると、突然電話が鳴った。

電話してきた警察によると、私の彼氏・青木湊(あおぎ みなと)は後輩の福田リン(ふくだ りん)の子供を傷つけられないように守ろうとして、相手を重傷させたという。

私が駆けつけた時、彼はその母子二人を抱きしめ、見たこともないほどの焦りを浮かべていた。

「先輩、あの時は私が悪かったんです。あなたのもとを離れるべきじゃありませんでした。

怖くてたまらなかったんです。元夫が執拗に絡んできて、あなたが命がけで守ってくれなかったら、とっくに生きていられませんでした。

そうだ、今日は彼女さんと婚姻届を提出する予定でしたよね?彼女さんの方は大丈夫ですか?」

私は怒りで震え、湊に飛びかかって平手打ちを食らわせ、ヒステリックに言い争った。

湊は決して自分の過ちを認めず、私を「器の小さい女だ」「嫉妬するのが情けない」「離婚した女性への同情心がないのはひどい」と罵った。

最後、私は地面に崩れ落ち、涙ながらに「別れよう」と言った。

すると湊は折れて、リンをブロックし、二度と連絡しないと誓った。

だがその後、家の郵便受けにはいつも手紙が山積みになっていた。

二人はなんと、何でも話す文通相手となり、音楽や理想、生活の些細なことを語り合い、互いのことを「ソウルメイト」と呼んだ。

クリスマスの日、私は一通の手紙を見つけた。

【この前預かっていた婚約指輪を返しましょうか?彼女さんが気にしているようですし、私、悪者になりたくないんです】

【別にいいよ、婚約は彼女を喜ばせるための冗談だ。結婚するつもりはない】

私は笑ってしまった。

一度口にした言葉は、もう取り返しがつかない。

北は寒すぎる。家を離れて五年、そろそろ帰る時がやってきたのだ。

……

湊が離婚した後輩に特別な感情を抱くなんて、夢にも思わなかった。

彼は几帳面な人間で、ビジネスでも恋人関係でもうまくやってきた。

彼と恋愛してから十年もの間、彼は私にとても優しく、まるで子供を世話するように丁寧に付き合ってくれた。

彼は家事を全て引き受け、給料を私に預け、買った家も車も私の名義にしてくれた。

婚姻届を出していないだけで、彼は私に夫のような安心感を与えたのだ。

だからリンが取り乱して私たちの家の玄関に現れ、夫からの暴力を泣きながら訴えた時、私は彼女を面倒がらず、むしろ彼女の境遇に深い同情を覚え、湊が彼女を助けることに肯定的だった。

あの挑発的な手紙がなければ、恋人がとっくに心変わりしていたことに、私は永遠に気づかなかっただろう。

台所から料理の香りが漂ってくる。

「佳穂、出前を取っておいたから、忘れずに受け取ってね。

俺はちょっと出かける。リンの子供が病気で、医者があっさりしたものを食べるようにって。スープを煮込んでおいたんだ」

湊はエプロン着ていて、とろりとしたスープをスープポットに注いだ。

同時に、私の青ざめた顔が戸棚のガラスに映った。

湊はそれを見て、ふと表情を和らいだ。

「心配しなくていいさ。今日は君の誕生日だって覚えてるから。沢(たく)くんがお腹いっぱいになったら、君をキャンドルディナーに連れて行くから。

佳穂はいい子だから、子供相手に嫉妬なんかしないよね?」

私は彼からのハグを押し返し、冷たく言った。

「指輪返して」

湊は微笑み、その瞳は優しさに満ちていた。

「なんだ、新しいアクセサリーが欲しいのか?俺のカードで買おう。何個か選んでおけば、また前回みたいに失くしても、あまり心痛まないだろう」

湊は私にお金を使うことを躊躇わない。S市の金持ち御曹司にとって、膨大な資産は取るに足らない数字に過ぎないのだのだろう。

私は見つかった手紙を広げ、引き裂いて彼の顔に投げつけた。

「今すぐリンに電話して、指輪を返させなさい」

湊の笑顔が消えた。

彼は拳を握りしめ、見下ろすように私をじっと見つめた。

しばらくしてから、彼はようやく携帯電話を取り出した。

リンは即座に出た。湊は機嫌が悪いのを感じ取ったからか、すぐに泣き声混じりで謝罪した。

「ごめんなさい、その指輪なんですけど、息子がトイレに流してしまって。

私の不注意です。先輩のことを怒らないでください。私が賠償しますから」

私は冷笑を漏らし、嘲るように言った。

「あれは3カラットのピンクダイヤモンドよ。定価1000万、なにで賠償するつもり?」
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