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第384話

Author: 楽恩
「ねえ、誰だと思う?」

「最近よく見るあの若手女優……?」

「違う違う、もっと大胆にいってみて」

「えっ、まだ大胆に……?」

「京極佐夜子よ」

「……は?」

私は目を瞬かせて驚いた。「来依、まさかあなた、今はそんな業界と繋がりあるの?」

京極佐夜子――芸能界四大トップ女優のひとり。二十年以上前にデビューしてすぐに爆発的人気を得て、家柄もすごいらしいけど、何年経ってもその正体は誰にも探れなかった。

噂じゃ、もしそれが本当なら、庶民には到底届かない世界の話だって。

数年前に表舞台を離れてからは完全に裏方に回って、今じゃ芸能界でも資本そのもの。

ひとたび姿を現せば、その注目度は今のトップスターと肩を並べるほどだった。

「でもこれ、私のコネじゃないんだよね」

来依は嬉しそうに笑った。

「彼女が先月のファッションウィークで、南のドレスを見てすごく気に入ったらしくて。マネージャーを通じて連絡があって、特別にオーダーメイドできないかって聞かれたの」

来依は私の負担を考えて、毎月2件だけプライベートオーダーを受けていた。

でも、そのすべては海外で活動している、もうひとつの名前での仕事だった。

南希の裏に、まだ清水南がいることは、誰にも知られていない。

来依は私の頭をツンと突きながら言った。

「もうあんた、2年前の南とは違うんだからね。今じゃオーダー希望の芸能人が列をなしてるんだよ。レッドカーペットで『誰のドレス!?』って話題さらいたくてさ」

私はくすっと笑って、わざとからかうように言った。

「……で、京極さんは?」

「その子は別格!ただの芸能人じゃないんだから。あの人には、頭下げてでもご機嫌とらなきゃダメでしょ」

来依は大げさに肩をすくめてから、ふっと真面目な顔になった。

「で、本題。南、今回の帰国、本当にそれだけの理由?」

私はソファに肘をつきながら、ぼんやりと彼女を見た。

「2年前にここを離れたとき、私、ボロボロだった。ずっと放りっぱなしのこと、いろいろあるからね」

生きるだけで必死だったあの頃、他のことを考える余裕なんてなかった。

藤原家とのいざこざ、南希とRFの株の問題、あれもこれも――すべて。

「で、最初にやるのは?」

「一つずつ、片付けてく」

私は唇をひと噛みしてから言った。

「そういえば、京極さんとの約束っ
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