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第9話

Author: ジンジャーピーチ
部下の顔がさっと青ざめ、首筋を伝う冷や汗が瞬く間に襟を濡らした。

駿に解雇を言い渡される結末が容易に想像でき、彼はためらいながらVIP病室へ向かった。

ちょうどその時、駿は晴香の背中を優しく叩き、彼女を寝かしつけたところだった。

「社長、桜庭さんは……」

駿は人差し指を唇に当て、静かに制した。

晴香の布団の端を整えると、振り返って部下に外で話すよう合図する。

駿が二歩ほど進んだところで、服の裾が軽く引かれた。

俯いた彼の視界に、赤く潤んだ晴香の瞳が飛び込んでくる。

「駿さん、桜庭さんのところに行くの?私のことはもういらないの?」

突然の不安げな声に、駿はわずかに困惑しながらも柔らかな口調で答えた。

「心配しないで。ただ、彼女にいくつか確かめたいことがあるだけだ」

――何を確かめるというのか。桜庭絵理の正体か、それとも二人の過去か……

晴香の胸中に、無数の疑念が渦を巻く。

――駿は何かを思い出したのか?もし絵理に会いに行ったら、今のように優しくしてくれるだろうか……

深く考える余裕もなく、晴香は眉を寄せ、声を震わせた。

「頭痛がする……」

駿はその演技を一
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