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第480話

Author: 森の小鹿
仁哉は笑って奈緒の肩を軽く叩き、穏やかだが自信に満ちた口調で言った。

「大丈夫だよ。今やるべきことは、黎ちゃんのために一緒にこの山を乗り越えることだから。ヤジン・デザインの方は僕と秀智に任せて。心配しなくて大丈夫だから」

奈緒は何か言おうと口を開いたものの、胸がいっぱいになって言葉が出てこなかった。

視線が重なる。その一瞬、奈緒は仁哉の瞳の奥に、抑え込んだ熱のようなものが宿っているのを見た気がした。

けれど、すぐに自分の勘違いだと思い直す。

自分と仁哉さんが?ありえない。一体、何を考えてるんだろう。

しかも、自分はまだ離婚も成立していないし、自分たちは仕事仲間だ。余計な感情を持ち込めば、ただでさえ複雑な状況をもっと面倒にするだけだろう。

奈緒の心は、そんな複雑な想いで溢れそうになっていた。

その時、黎の担当医から電話がかかってきた。

奈緒の心臓が跳ね上がる。通話ボタンを押す指まで震えていた。

「先生、検査結果が出たんですか?黎は……娘はどうなんでしょうか?」

「奈緒さん、こちらの診察室まで来ていただけますか。直接お話ししたほうがいいと思います」

直接……その言葉
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