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第489話

Author: 森の小鹿
さっきまで和やかだった空気が、一瞬で凍りついた。

充が黎へ手を伸ばした瞬間、奈緒はすぐ前へ出た。黎をしっかり抱き込み、蛍をかばうように立つ。

そして、冷ややかな視線を充に向けた。

「どうしてまた来たの?」

充は言葉に詰まった。「俺が来ちゃいけないのか?」

黎が重病だと知ったのは夢香からで、母親である奈緒からは、何の連絡もなかった。

そう思った充の眉間には皺が寄り、非難めいた眼差しを奈緒に向ける。

「奈緒。俺は黎の父親だ……なのに、病気が確定したのに、どうして何も連絡してくれなかったんだ?」

そう問いかける充の声は、わずかに震えていた。

奈緒の腕の中で、黎は何も知らずに大きな目で周りを見ている。

こんなに小さいのに、なぜそんな重い病気にならなければならないのか?

これから黎が受ける苦しみを考えるだけで、充の胸は締めつけられた。

充がもう一度、黎を抱こうと手を伸ばしたが、奈緒はすぐにその手を払った。

「触らないで、あなたにそんな資格はない。

それに、あなたに言って何になるの?あなたに何ができるわけ?」

奈緒の声には、深い失望しかなかった。

自分が高熱で救急処
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